2022/06/23/
本
日本語教師におすすめの本
インターネットであらゆる情報の収集ができる時代となりました。 特に10代~30代を中心とした若い年齢層の方々は、あらゆる情報や勉強、知識習得のためのトレーニングをSNSやWEBサイト、アプリで行うことが習慣化し、「本離れ」が進んでいると言われていますが、皆さんはいかがでしょう。 様々な分野の学習のオンライン化も進んでいますが、日本語教師のための情報収集やトレーニングも、インターネットで十分でしょうか?日本語教師になるために、本は必要なのでしょうか? 結論から申し上げると、日本語教師を目指す人、日本語教師という仕事を追求して質の高い教育者を目指す人には、やはり本を読むことをおすすめしたいです。 ■日本語教師に本をお勧めする理由 〈日本語教師の情報収集において、インターネットは過信注意〉 当サイト [ラングジョブ] では、日本語教師のための本当に役立つ情報をお伝えすることをモットーにしていますが、「日本語教師」、ひいては「日本語」「英語」「フランス語」「中国語」といった語学や教育に関する情報はインターネット上にあまたあり、中には有益とはいえない情報も溢れています。(情報通信白書参照)インターネットで日本語教師のための良質な情報にたどり着き、インターネットで日本語教師としての知識を身に着けたりスキルを磨いたりしてトレーニングを完結することは至難の業と言えるかもしれません。 とはいえ、WEBやSNSは手軽で便利。キーワード検索などがスムーズかつスピーディーにできるメリットは捨てがたいですよね。 日本語教師になりたい人がまず読むべき本は? 編集部が選んだ6冊のように、経験から本をおすすめてしてくれるサイトもあります。ですので、インターネットも参考情報としてうまく活用されることをおすすめしますが、インターネットで日本語教師の情報を検索・収集する際には、SNSやブログなど個人発信の情報は信ぴょう性に欠ける場合があったり、偏った情報であったりする可能性を認識しておくと良いでしょう。 便利なインターネットのメリットも活用しつつ、しっかりと繰り返し「本」を読み込む。このように、本とインターネットをうまく使い分けて情報収集や勉強をすることが、日本語教師には、非常におすすめです。 日本語教師にとっての本の魅力①有形であること インターネットが形のない無形であるのに対して、本は有形で、お金を支払って購入する「モノ」です。 日本語教師のトレーニングや情報収集をする上でポイントになるのが、形があり、タダではない(=対価を払う自己投資である)ということです。 ●書店に行って日本語教師の本を選ぶ ・・・時間とお金をかけて本を選ぶ行動は、まさに自己投資です。こうして選んだ本にはあなたの希望や決意が込められた、特別な一冊であるはずです。 ●先輩日本語教師からおすすめの本を貸してもらう ・・・これも、借りることで相手とのやり取りや関係性変化などのリスクも含んでいるため、自己投資に非常に近い覚悟の要る行動と言えます。 そして、本の内容について、誰かと感想を共有したり相談したり、ディベートをするなんていうこともあるかもしれません。 本をめぐってのこのような行動や体験が、日本語教師という仕事への動機や意識を強固なものにしてくれるはずです。 インターネットで調べた情報はすぐに忘れてしまうけれど、子供のころに本で読んだことは忘れていない、なんていう経験はありませんか? “好きなページに手作りのしおりを挟んでいた”とか、“あの時〇〇さんにこんな本を借りてこう感じた”とか、“あの本の感想文をクラスで発表した”とか、“あの分厚い本に挟んだ押し花がきれいにできた”とか。本にまつわる記憶は結構思い出せたりするのではないでしょうか。 本とは、記憶に残る不思議な魅力があるものです。 これは、小説などに限らず、日本語教師のための本にも共通する部分が十分にあるはずですよ。 新人日本語教師に必須の本!日本語教師になったら購入するべき本5冊でも分かる通り、先輩日本語教師のお薦めは非常に頼りになります。 日本語教師にとっての本の魅力②語学・言語の集まりであること また、日本語で書かれた本は、日本語の集まりが形になった作品とも言えるもので、日本語教師にとっては情報収集だけでなく、トレーニングツールとしてもおすすめです。 「英語」「フランス語」など他の言語でもそうなのですが、語学に関するスキルを磨く上では「本」というツールの魅力は大きいと思いませんか? 書いてある内容はもちろんのこと、読み進める中で出会う言い回し、行間、筆者の意見や全体構成といった全てが日本語そのものであり、読むこと自体で表現の幅が広がるなど日本語教師のトレーニングやスキルアップにつながるのでおすすめです。 「日本語教師」という語学を教える職業に就く皆さんは、読んだ本の書き方や伝え方のテクニックも参考にしない手はないのではないでしょうか。 これから日本語教師として日本語を教えるあなたには、本選びのワクワク感から、日本語の魅力を含めての本の素晴らしさを改めて体感し、その魅力をこれから出会う生徒さんたちに伝えていっていただきたいと思うのです。 日本語を学習する外国人の方にも、いろいろな本を読んで日本の「本」から語彙や表現の幅を広げたいと考え、取り組んでいる人は多いです。 新米日本語教師におすすめの参考書等も参考に本を選んでみてください。 ■日本語教師におすすめの本 では、具体的にどんな本を読んだら良いのか? 日本語教師におすすめ本を、目的やフェーズ別に、理由とあわせてご紹介していきますね。 ですが、本を選ぶ時にはインスピレーションも大事ですし、人と本の相性があると思いますので、最終的には日本語教師にこれからなる、または日本語教師としてのスキルを上げたい一人一人が、手に取って中身をパラパラと見てみてから目的と感性に合ったものを購入されることをおすすめしますが、選ぶ上での参考にしていただければ嬉しいです。 ▶日本語教育能力検定試験をこれから受ける 令和2年度 日本語教育能力検定試験 試験問題 公益財団法人日本国際教育支援協会(著、編集)凡人社 https://www.amazon.co.jp/dp/4893589830/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_50584KGPNMEC32XBWFQN?_encoding=UTF8&psc=1 日本語教師を目指す人で日本語教育能力検定試験の受験をするなら、過去問は必須です。 こちらが令和3年7月時点の最新版です。 日本語教育教科書 日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド 第5版 ヒューマンアカデミー (著) 翔泳社 https://www.yodobashi.com/product/100000009003374261/ 日本語教育能力検定試験に多くの合格者を輩出している大手校講師陣が、内容を厳選していてうまくまとまっています。分かりやすい解説が人気です。 ※参考URL https://www.jegsi.com/kentei/books-for-kentei-dokugaku-goukaku ▶ビギナー日本語教師 教師と学習者のための日本語文型辞典 単行本(ソフトカバー) – 1998/2/2 グループ・ジャマシイ (編集)くろしお出版 https://www.9640.jp/nihongo/ja/detail/?154 日本語の「文型」という概念を、文や節の意味・機能・用法に関わる形式として捉え、豊富な例文を用いて丁寧に解説したベストセラー辞典。日本語教師の授業準備、学習者の日本語能力試験N2、N1対策と幅広く利用でき、一冊持っておくと重宝するでしょう。 ※参考URL https://hire39.com/books-recommended-basic ▶日本語教師のスキルアップにおすすめ アクティブ・ラーニング対応 日本語を分析するレッスン 野田尚史 (著), 野田春美 (著)大修館書店 https://honto.jp/netstore/pd-book_28389448.html 日本語学初級テキストという位置づけですが、既存の学問体系構成にとらわれず、身近な話題ごとの構成のため、生徒の興味関心分野に寄せた授業展開の参考になりそうです。 日本語教師としてスキルアップ、キャリアアップするには、授業の質や対応幅の広さも意識しましょう。 ※参考URL https://kirin-sensei.hatenablog.com/entry/osusume.goi.hon ■どのように本を探すか? 先輩教師におすすめしてもらったり、ネット上の書評を参考にしたすることはもちろん手段の一つです。慣れないうちはそのように、たくさんある本の中から自分に合ったものを探していくべきでしょう。当サイトも、そんな皆さんの助けになればと願っています。 しかし、前述したように本にも相性があります。他の人が使った本が必ずしもあなたにも合うとは限りません。ですから、自分の目的にあった本を自分で本を選べるようになっていくことも、日本語教師としてやがて身に付けるべき技能の一つでしょう。 そんな場合には、出版社のサイトを利用することがおすすめです。日本語ブックスさん(教師用参考書|日本語ブックスonline(株)語文研究社)やくろしお出版さん(くろしお出版 日本語教材WEB)などのサイトには、日本語教育に関する本がたくさんまとめられています。文法項目やレベル、目的別にカテゴリ分けされているため、しっかりとした目的があれば本をえらぶこと自体はそう難しくありません。 レビュー付きでない分一つに決めるのは難しいかもしれませんが、より豊富なラインナップの中からより細かく目的別に本を探すことが出来るでしょう。ネット上の紹介サイトでは見たこともない本や教材と出会えるかもしれません。 初心者向けの概略本ではなく、生徒のレベルや細かいニーズにに合わせて本を選べるようになったら、授業の準備がしやすくなるだけでなく、日本語教師としてのスキルアップも望めるのではないでしょうか。