日付2022/02/08

日本語教師におすすめの、まず読むべき本6選!

日本語教師になるためには、「日本語教育能力検定試験に合格する」「日本語教師養成講座420時間を修了する」「大学または大学院で日本語教育に関する主専攻プログラムか副専攻プログラムのいずれかを修了する」の、3通りの方法があります。

いずれにせよ、たくさん勉強して日本語教師になるのですが、いざ授業をしてみると「どうすればいいのかわからない」という場面に遭遇します。

日本語教育の授業は下準備が命。

授業の構成やわかりやすい導入を考えたり、生徒がつまづきやすい部分を先回りして把握しておく必要があります。

こんな時どうする?に備えるには、本が有効。

日本語教師になりたい人や、日本語教師になりたての人におすすめの本をご紹介します。

 

日本語教師になりたい人におすすめの本

日本語教師の仕事に興味を持った時に、読んでおくべき本を2冊ご紹介します。

 

日本語教育の「全体像がわかる」良本

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『もしも…あなたが外国人に「日本語を教える」としたら』

引用ーーー

「とにかく読みとおせば、初歩の日本語が教えられるようになることをめざしています」と著者が前書きに書いているように、教授法、音声、語彙、文字表記、教科書や教材、コース・デザイン、教室活動といった、日本語を教える上で最低限身につけておかなければならないことに一通り触れられています。”

「日本語教師になりたい人がまず読むべき本は? 編集部が選んだ6冊」より

日本語教師を目指そうと思った時に、まず何か読んでみるなら、この本がおすすめです。

1章と2章では初めて授業をおこなう際の試行錯誤と、その解決方法が書かれています。

日本語教育の具体的な指導のポイントが理解できるでしょう。

3章では授業全体の「教え方」、4章では日本語教育の業界について解説されています。

全体を通して「外国人に日本語を教える」とはどういうことなのかが、わかりやすく解説されています。

日本語教育の基本的な内容やステップアップの方法、日本語教育の現場事情などについて書かれているので、この一冊で日本語教育の全体像を把握できます。

 

日本語教育の「授業に役立つ」本

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『日本語教師のための「授業力」を磨く30のテーマ』

引用ーーー

”「日本語教師のための「授業力」を磨く30のテーマ」の本は、授業に対する取り組み方や考え方が学べます。

日本語教師として教壇に立つ前に読んでおきたい一冊ですが、日本語教師として経験がある人でも、読むと自身の授業の振り返りになって役立ちます。”

「日本語教師におすすめの本」 より

日本語教師の全体像が把握できたら、その次に読む本としておすすめです。

実際の授業はどのようなもので、自分が授業を行う時には具体的にどうすればいいのか。

『日本語教師のための「授業力」を磨く30のテーマは、ぼんやりとしたイメージの「授業」をリアルに感じることができる一冊です。

また、授業を作る時や構成を考える時にも使えるので、実際に日本語教師として仕事を始めてからも「使える」と好評です。

会話形式で書かれているので読みやすく、日本語教師の資格試験の勉強の息抜きにもちょうどいいでしょう。

授業力、実際に授業をするスキルというのは、資格試験に合格しても身につくものではありません

自分で授業を行い、毎日「Plan・計画→Do・実行→Check・評価→Act・改善」のPDCAサイクルを回すことで、だんだんと授業力が上がっていきます。

とはいえ、できるだけ早く身につけることができれば、仕事がスムーズなのはいうまでもありません。

授業力をあげるヒントが書かれているので、先に読んでおいて損はない一冊です。

 

日本語教師として教壇に立つ前に必読の本

日本語教師として働き始めたら、毎日の授業を作り、わかりやすい教え方を考え、実際に授業をし、生徒とのコミュニケーション対応をし……やるべきことがたくさん。

事前に必要な知識や前例を知っておけば、生徒からの突然の質問にもスムーズに対応できますし、毎日の業務もスマートになります。

 

日本語教師の「定番書」

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『みんなの日本語』

引用ーーー

私は現時点では『みんなの日本語』を元にした授業を行っていませんが、教案を書いたり練習問題を考えたりするときによく参考にしています。

外国人がどのようなプロセスで日本語を勉強していくのか、初級レベルではどのような文法・語彙を学ぶのか、といったことも分かるので、学生さんのレベルを把握するのにも便利な1冊ですよ。

ボランティアで日本語を教えたい!という方にもおすすめです。”

「これから日本語教師を始める人におすすめしたい参考書、教科書を紹介!」より

日本語教育の現場でもっともよく使用されているのが、この「みんなの日本語」シリーズです。

日本語が母国語の私たち日本人が読むと、とてもシンプルな内容です。

シンプルなので日本語が母語ではない外国人にわかりやすく、また、外国人が日本で仕事をしたり生活していく場面で必要な語彙や文型もしっかりとまとめられています。

第二版の出版にともなって古い単語や用語が見直され、今の時代でも違和感無く使える単語に差し替えられています。

実用的で分かりやすく、日本語文法をしっかり習得できるすぐれた教科書として、日本語教師の必需品と言えるでしょう。

日本国内の日本語学校でも『みんなの日本語』を元に授業が行われることが多いので、持っておけば必ず役に立ちます。

 

初級を教えるための「定番書」

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『みんなの日本語初級I 第二版 教え方の手引き』

『みんなの日本語初級II 第二版 教え方の手引き』

引用ーーー

“初級を教えるなら絶対持っておきたい1冊です。

 学習者が苦手としているところや指導のポイントがしっかりとまとまっています。

日本人だとなかなか気きづきづらいポイントについても触れられているので、僕はこの本にたくさん助けられました。

まずはこの本を読んで、初級文法のポイントを押さえていくとこれからの日本語教師生活のハードルがぐんと下がります。”

「【購入必須】新人日本語教師におすすめの本」より

日本語教師として働きはじめた時の手引書として、定番の本です。

多くの教師が「初級を一番教えるのが難しい」と感じています。

まったく日本語がわからない人に「日本語で日本語を教える」には、スキルが必要。

日本語の文法について「外国人の学習者が理解しづらいところを、どのように教えるか」の導入例が充実しています。

『みんなの日本語初級I 第二版 教え方の手引き』と『みんなの日本語初級II 第二版 教え方の手引き』には、初級の日本語指導のポイントがまとめられているので、授業をする際に役立ちます。

口コミでも、

「各課毎に 新出語 基本文型〜変化に伴う教え方のステップがわかりやすく解説されています。」

「それぞれの課の教え方が載っていてわかりやすい。また、教案作成の参考になる。」

と、使い勝手の良さで好評です。

なお、みんなの日本語シリーズは、本冊とこの手引書をセットで使うように構成されています。

他の副教材も豊富なので、使用目的に合わせて選びましょう。

 

例文や誤用例も充実、初級レベルの文例をマスターできる一冊

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『初級日本語文法と教え方のポイント』

『中級日本語文法と教え方のポイント』

引用ーーー

”「初級日本語文法と教え方のポイント」で紹介されているポイントさえ把握しておけば、初級レベルの授業の突然の学生の質問にも問題なく対応できるでしょう。”

「初心者におススメ!日本語を教えるための参考書5冊

『初級日本語文法と教え方のポイント』と『中級日本語文法と教え方のポイント』は、「学習者はどこがわかりにくいのか」、「何をどう教えればいいのか」という、現場で直面することの多い疑問を解決してくれます。

初級の授業で必要な文法項目をメインに、学習者からよく出る質問や、誤用に関する説明と指導法が充実。

口コミでも

「日本語を教える上でこの本は欠かせません。初級でつまづく項目が書いてあり、日本語学校で使われる教科書に対応した項目が詳しく書いてあるので、日本語教師の必需品です。

「日本語の教案を作成するときに必須の本だと思います。とても丁寧に記載されているため、とても分かりやすいです。日本語の教師になろうと思っている人、なったばかりの人はぜひ読んでください。」

と、実際に日本語教師をしている人も愛用している良書です。

知識だけでなく現場で実際に使えるところが、多くの人に支持されています。

 

例文が豊富な参考書が欲しいならこれ

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『くらべてわかる日本語表現文型辞典』

引用ーーー

”こちらの全級おすすめ参考書ページで紹介しているものは昔から私が使っていて、現在も使っているものです。できるだけ早くこれら参考書は手に入れれば、末永く役立つでしょう。”

「全級おすすめ参考書」より

参考書には例文が必ず載っていますが、『くらべてわかる日本語表現文型辞典』はとくに例文が豊富

一つの文型に対して、4つの例文が記載されています。

類似文型の違いがわかりやすく簡潔に記載されていて、アルファベット順で辞書のように簡単にひけるので、教師も生徒も使いやすい構成になっています。

さらに、「意味が似ている文型」を説明しやすいように、「くらべて」掲載しています。

文型に関する学習者からのよくある質問にも、わかりやすく解説してあげることができるでしょう。

「似たような言い方の使い分けについて一番わかりやすい。日本人が自然に使い分けている言い方の違いをわかってもらうためには、きちんとした使い分けの説明がどうしても必要だが、その説明がシンプルにまとめられている。」

「例文が多く、授業の準備に重宝しています。例文や問題プリントを作成する際に参考にしています。」

このように、口コミでも、実用的で役に立つとの評価が多く寄せられています

経験の浅い日本語教師にとって、あると便利な一冊となっています。

 

もっといろんな本を知りたい、探したい

ここで紹介した以外にも、日本語教師の仕事に役立つ本は、たくさん出版されています。

必要な内容が書かれている本を探すなら、日本語教師に役立つ書籍をまとめたサイトが便利です。

引用ーーー

”現場」は明日の授業、今期の授業のため。「勉強」は長く日本語教師を続けるための勉強の本、という区分けになっています。「あり方的なもの」は教え方から少し離れた日本語教育一般に関する本です。教師向けシリーズは、2000~3000円のシリーズ。「専門書」は、やや値段も高い(3000円から8000円超も)けど得意分野ならチャレンジ。くらいのイメージです。研究シリーズは教師向けシリーズより研究者寄り。値段はやや高め(4000円前後)出版社のサイトにアマゾンより充実した紹介がある場合は出版社の紹介ページへのリンクも入れました。特にくろしお出版ひつじ書房のサイトの説明は充実しており読む価値があると思います。”

「日本語教師読本Wiki」より

日本語教師Wikiでは、日本語教師定番の書籍や、実際の現場で使える実例系、素材・アイデア集、文法、漢字、教え方などなど、たくさんのカテゴリーに分けられています。

自分にとっていま必要な本を見つけることができるので、目的にあう本をぜひ探してみましょう。

 

まとめ

日本語教師の仕事を始めたばかりのころの授業は、毎日が試行錯誤の繰り返しです。

先輩に教えてもらったり、その都度改善することはもちろんですが、できれば大きくつまずくことなくスムーズに授業をしたいというのが本音。

経験の浅い日本語教師やこれから日本語教師になる人が、授業や模擬授業でつまずくのは、実務経験が少ないことと、教え方や文法の知識が足りないことが原因として考えられます

教え方や考え方、使える技術についてあらかじめ学んでおけば安心です。

今までの日本語教師の知恵やコツが詰まった本を、ぜひ毎日の授業に活用しましょう。

 

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