日付2023/05/25

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日本語教師の仕事に英語力や資格は必要?ケースごとに詳しく解説!!

日本語教師の仕事に英語力や資格は必要?

「日本語が母語ではない外国人や留学生の方に、日本語や日本の文化を伝える」

これが日本語教師の主な仕事です。

文化庁国際交流基金2018年度調査によると、海外で日本語を学んでいる外国人の人数は、1998年では2,102,103人。

2018年には3,851,774人と、約1.8倍に増加しています。

また厚生労働省の2020年のデータでは、日本で働いている外国人の人数は17,24,000人にのぼります。

日本での生活やビジネスのために、日本語学校や日本語講座を利用する人も増加しており、日本語教師のニーズも年々高まっています。

「英語が話せなくても日本語教師になれるかな?」

「どんな英語の資格が必要なんだろう?」

この記事では、日本語教師に必要な英語力や英語の資格について、わかりやすく解説します。


目次

1,日本語教師の仕事に英語力は必要?

・日本国内で日本語教師になる場合

  英語力が不要なケース

  英語力が必要なケース

・ 海外で日本語教師になる場合

  英語力が必要なケース

  英語力が不要なケース

2.日本語教師が持っていると有利な英語の資格は?

 ・持っていると有利な英語の資格

  英語検定2級以上

  TOEIC700以上

・英語の資格を持っていなくても日本語教師になれる

・日本語教師の資格と英語の資格をとるには


1,日本語教師の仕事に英語力は必要?

外国人に日本語を教える仕事と聞くと「英語が話せないとできない仕事なのでは?」というイメージを持たれることが多いのではないでしょうか。

実は、働く環境を選ばなければ「英語力がなくても日本語教師の仕事はできる」のです。

英語力が必要か不要かはケースごとに異なるので、個別に解説します。

 

日本国内で日本語教師になる場合

外国人に日本語を教える方法は2種類あります。

・日本語を使って日本語を教える「直接法」

・外国語を介して日本語を教える「間接法」

 

日本語を使って日本語を教える「直接法」は、授業内容はすべて日本語でおこなわれます。

外国語を介して日本語を教える「間接法」は、英語圏の人には英語で、中国語圏の人には中国語でというように、相手の母語を用いて日本語教育をおこないます。

 

日本国内で日本語教師をする時は、

・「直接法」なら英語力は不要

・「間接法」なら英語力が必要

となります。

それでは、具体的にみていきましょう。
 

英語力が不要なケース

日本語教師_資格_独学1-1

日本国内で、日本語を使って日本語を教える「直接法」で授業をする場合は、英語力は不要です。

授業内容も生徒とのコミュニケーションも、すべて日本語でおこなわれます。

対象とする生徒の多くは、日本で仕事をするために来日しているアジア圏の人です。

アジア圏の母語は英語ではないので、英語力は問われません。

このような日本語教育の現場では、教材や絵カードを使った「視覚的な方法」で日本語や日本の文化を教えます。

また文法を教える際は、その文法を使うシーンを再現する「ロールプレイング形式」で授業をおこないます。

英語力ではなく「日本語で日本語を教える」という、日本語教師特有のスキルが必要です。

日本語教師の資格には年齢制限がなく社会人経験を生かしてチャレンジすることができます。
 

英語力が必要なケース

日本語教師_英語力_資格0002

日本国内でも、高い英語力が必要になる場合があります。

それは、対象とする生徒が英語を母語としている場合です。

 

・日本語がまったくわからない海外在住の生徒に対して、日本語を教えるオンライン教育

・より高度な日本語を習得するために留学に来ている生徒を対象とした学校教育

・日本語での商談ができるレベルを目標とするビジネスパーソンへの研修

 

こうしたケースでは、英語を介して日本語を教える「間接法」で授業をおこないます。

オンライン講座で日本語を教える場合、生徒は海外に住んでいることがほとんどです。

まったく日本語がわからない人も多いので、英語を使ったわかりやすい教えかたが求められます。

また、留学生やビジネスパーソンが生徒の場合、専門性の高い英語を用いた授業が求められます。

文法の仕組みやビジネス用語を、日本語と英語の両方で解説できるレベルが必要です。
 

海外で日本語教師になる場合

では、海外で日本語教師になる場合はどうでしょうか?

海外に住んで仕事をするので、英語の能力が高くないとできないようなイメージを持たれるかもしれませんが、一概にそうとは言い切れません。

ケースごとにみていきましょう。

 

英語力が必要なケース

日本語教師_資格_独学1-3

アメリカやヨーロッパなど、英語圏での海外求人では、英語力は必須とされています。

英語圏で生活をしながら日本語教師の仕事をするので、日常会話はもちろん書類の手続きなどもすべて英語です。

教える日本語が日常会話なのかビジネス用なのかでも、求められる英語の能力は異なります。

海外求人の募集概要には、必要な英語力や英語の資格が記載されています。

 

英語力が不要なケース

日本語教師_資格_独学1-4

しかし、海外求人でも英語力が不要なケースがあります。

それは、アジア圏で働く場合です。

アジア諸国では、日常生活で英語を使わない人が大半です。

母国語・英語・日本語の3つを行き来して授業をすると、内容がわかりづらくなってしまいます。

日本語の会話の授業は日本人の日本語教師が担当し、文法の解説などは現地の先生が現地語で教えるというのが一般的です。

ただし海外で生活するためには、簡単な英語や現地語を習得しているほうが望ましいでしょう。

 

・まとめ

ケースによっては、英語力がなくても日本語教師になることができます。

しかし英語力があれば、就職や転職に有利なだけでなく、生徒との深いコミュニケーションにも繋がります

引用--------------

英語という外国語を学習した経験そのものが、日本語を学習する生徒の気持ちのよりよい理解につながるので、英語でなければいけないということではありませんが、外国語を勉強することは日本語教師にとって大切な経験だと言えます。

シゴト×エイゴ

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言葉がわからないという気持ちを理解し手助けしてくれる先生は、生徒にとって大切な存在になるでしょう。


 

2.日本語教師が持っていると有利な英語の資格は?

英語力がなくても日本語教師の仕事をすることはできます。

ですが英語力がある方が、日本語教師の仕事の幅や楽しみはさらに広がります。

では、どれぐらいの英語の能力があれば良いのでしょうか?

日本語教師が持っていると有利な「英語の資格」をみてみましょう。

 

持っていると有利な英語の資格

結論から言うと、日本語教師の仕事ではTOEIC700点以上・英語検定2級以上の資格があると有利です。

日本国内の求人でも海外求人でも、就職や転職の選択肢が広がります。

実際の求人でも日本語教師資格のほかに、英語の能力を応募の条件に記載しているところが多いです。

 

英語検定2級以上

日本語教師_資格_独学1-5

英語検定は日本独自の検定で知名度も高いので、取得している人も多いのではないでしょうか。

日本語教師の仕事では、英語検定2級以上が有利とされています。

英語検定2級はCEFRのB1にあたり、TOEICの点数に換算すると550〜775点程度です。

CEFRとは外国語の熟練度をA1からC2の6段階であらわしたもので、資格や検定のレベルを判断する際の指標になります。

B1は下記のレベルになります。

引用-------------------

”仕事、学校、娯楽などで普段出会うような身近な話題について、標準的な話し方であれば、主要な点を理解できる。 その言葉が話されている地域にいるときに起こりそうな、たいていの事態に対処することができる。身近な話題や個人的 に関心のある話題について、筋の通った簡単な文章を作ることができる。”

「各資格・検定試験とCEFRとの対照表」文部科学省

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なお、英語検定2級にギリギリ合格した場合と上位得点で合格した場合とでは、TOEICに換算した時の点数に大きな差があります。

2級合格時の点数がわかれば、TOEICで取れる点数を知ることができます。

すでに英語検定2級に合格している人は、その級を目安にしてTOEICに挑戦してみましょう。

英語検定は日本の中高生や大学生に向けたものなので、これから英語の資格をとろうと考えているなら、ビジネス向けのTOEICのほうが実用的です。


 

TOEIC700点以上

 

日本語教師_資格_独学1-6

TOEICにはさまざまなテストがありますが、一般的に「TOEICのスコア」といわれているのは「TOEIC Listening&Reading」のことです。

日本語教師をする上での目標スコアは、700点以上と言われています。

引用-------

”履歴書には英語の資格は書くべきか?

Q. 日本語教師の履歴書にTOEICのスコアや英検の級は書いたほうがいいですか?

A. はい、書いたほうがよいです。語学系や教員免許など関連する資格や経験はなるべく書くようにしてください。また、できればTOEIC(トイック)はスコア700点以上、英検は2級以上を最低限クリアしておくよう、努めてください。英語での一般的な日常会話能力や海外生活を始めるにあたっての最低限必要とされる英語力はおよそTOEIC700以上、英検2級以上が多く、またそれ以下でスコアや級が低くなるほど、同じレベルの方も多くなるので、資格としての希少価値は薄まっていきます。”

「日本語教師は英語力が必要ですか」jegs inter national

“とくに欧米圏では、英語をはじめ、その国の母語を使って日本語を指導する「間接法」が一般的となっているため、英語を使う場所であれば英語力が必要になります。

どの程度の英語力が求められるかは勤務先によって異なりますが、最低ラインとしてTOEIC700点程度となっていることが多いようです。

しかし、現地の人や他の教師たちとスムーズにコミュニケーションをとるためにも、現時点の能力で満足せずに、英語力は高めておくに越したことはありません。”

「日本語教師の英語はどれぐらい必要?」CareerGarden

”TOEICで満点を目指す必要はありません。

日本語教師の目標スコアを調べてみると、「目標は700点」という声が多いようです。”

私は日本語教師になる! -日本語教師の資格取得を目指す方へ-

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しかし一方で、海外ボランティアの日本語教師は、TOEIC330点あればできるという声もあります。

引用-------------

“海外の教育機関によって求められるレベルは様々ですが、日常会話レベルの英語力があれば問題ないと考えます。

 例としてJICAを見てみましょう。JICAの一般案件で求められる英語レベルは、日常会話レベル以上です。具体的な数字で言うと、TOEICで330点以上となっています。990点中の330点以上ですので、難しいレベルではないと思います。”

「英語が話せない人でも日本語教師になれる?必要な英語力レベルを状況別に解説します【海外の事例もあわせて解説】」とある日本語教師のブログ

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TOEICはビジネスの場を想定した英語の資格ですので、ミーティングやメールの文面なども出題されます。

実際の仕事でも役に立つ内容となっています。

必ずしも700点以上が必要なわけではありません。

ですが、日常会話以上の英語力があれば、日本国内の求人でも海外求人でも、自信を持って応募することができるでしょう。

 

英語の資格を持っていなくても日本語教師になれる

TOEIC700点・英語検定2級以上の英語力を短期間で身につけるのは、難しいこともあります。

「英語の資格は持っていないけど、日本語教師の仕事にチャレンジしたい!」という場合は、求人ボックスなどを活用して「英語の能力が必須ではない」職場を探してみましょう。

英語ができなくても、日本国内やアジア圏の日本語学校なら、日本語教師になることができます。

働きながらでも英語力を高めていくことはできるので、いますぐ日本語教師になりたい人は、日本語教師を募集している学校や企業を探してみてはいかがでしょうか。

 

日本語教師の資格と英語の資格をとるには

国際福祉大学では、中学・高校の英語教員の資格と日本語教師の資格をとることができます。

また、留学先で日本語教師の資格と英語の資格の両方をとることもできます。

日本語教師として海外で働きたい人は、オーストラリアへの留学がおすすめです。

引用--------------

国際交流基金の2018年度海外日本語教育機関調査結果によると、英語圏で一番学習者が多い国は、オーストラリアの405,175人(全体4位)で、次がアメリカの166,565人(全体7位)です。

特にオーストラリアでは中・高等学校でも日本語教育が盛んですし、日本語教師の募集も多いです。

日本語教師キャリア

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ジャパンセンターオーストラリアでは、オーストラリアで現場経験を積みながら、日本語と英語両方の資格をとることができます。

また、日本語教師養成講座にも、メルボルンやシドニーで受講できるコースや、通信制で世界のどこからでも受講できるコースがあります。

 

まとめ

日本語教師に必要な「英語力」と「資格」についてご紹介しました。

日本語教師を仕事にする場合は、まず日本語や日本の文化について正しく理解していることが、一番大切な条件です。

もちろん英語が話せれば生徒とのコミュニケーションにも役に立ちますし、仕事を選ぶ時や転職をする時にも英語の能力や資格は有利です。

自身のスキルアップ・キャリアアップを目指して、日本語教師をする上で必要な英語力と資格にぜひ挑戦していきましょう。

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