日付2022/06/28

将来性

日本語教師の現実 ~将来に対する不安と期待~

日本語教師が抱える不安

収入面

日本語教師_将来_不安_1-1

就活や転職、キャリアチェンジとして日本語教師を選択肢に入れた場合、「収入が低い」という不安の声が最も多く聞こえてきます。

せっかく大学や養成講座で懸命に勉強したにもかかわらず、将来的に生活面で苦労をするのは嫌ですよね。

例として「日本語教師になりたい23歳女性の現実」では、日本語教師になるために養成講座へ通ったにもかかわらず、非常勤講師の掛け持ちでさえ、バイトの給料と変わらないと言われる厳しい現実に、悲痛な叫びを上げています。

また「日本語教師を辞めたいと思ったとき(きっかけ)」には、日本語教師として様々な環境で働いている人々のリアルな声が書き込まれていますが、金銭面で苦労をしながら仕事を続けている人も多くいるようです。

 

働き方

日本語教師_将来_不安_1-2

日本語教師における低収入の原因に、最も多く挙げられるのが雇用形態です。

日本語教師に関するQ&A」では「非正規雇用でも家族を養っていけるのか」という不安に対して「非常勤講師の求人は結構あるものの、それだけで家族を養うのはかなり厳しい」と苦言を呈しています。

しかし「日本語教師はやめた方がいい?将来性?」では、夫婦で約15年間日本語教師をされていた方が、実体験を通して「働き方によっては日本語教師の未来は経済的にも明るい」と述べています。

ここでは「日本語教師は比較的に誰でもできる仕事だからこそ薄給である」と見解されていますが、その一方で複業をしている人も多くいるようです。

複業には実に様々なモデルがありますが、収入源を語学教師だけに絞らなければ、将来に対する不安は大きく軽減されるのではないでしょうか。

それでも日本語教師として働くことに一抹の不安を覚えている人は、「将来が不安な日本語教師に伝えたい」を是非ご覧ください。

ここでは、キャリア理論を通した物の見方や捉え方が述べられており、読み進めていく内に、自分の将来が少し楽しみに感じられることでしょう。

また、「日本語教師に関するQ&A」には、日本語教師を目指す人が抱く疑問とその答えがまとめられています。同じ立場の人が抱く疑問には共感できるものが多いのではないでしょうか。

 「初任日本語教師と教育不安の変容についての一考察」では、養成考査終了時から2年目が終わるまで長期的にインタビューを行い、不安の内容について分析しています。このような論文を読んでみるのも、自分の感じている不安が言語化されたり、自分だけではないと感じられたりして、不安の解消につながるかもしれません。

 

 

留学生の減少

日本語教師_将来_不安_1-3

日本語教師の将来性」にも記載があるように、今後日本は超高齢社会に突入し、若者の人口は著しく減少することが予想されます。

そのため、国内では外国人労働者を必要とする仕事も多くあり、将来は日本で働きたいと考えている留学生の増加が見込まれていました。

しかし「日本語教師の需要と今後の将来性」では、現状留学市場は減少傾向にあると言います。

その主な理由として、留学の目的が「勉強」ではなく「お金稼ぎ」に変わっていることから、結果的に帰国を余儀なくされるケースが増えているためです。

本来、留学とはその国で学術や技芸を学習するための在留資格を指しますが、不法労働の留学生はその在留資格を更新することができません

せっかく来日しても稼げないのであれば意味がないと考える外国人も少なくないため、全体の留学生数も当然減少します。

違法状態にならないよう日本語教師も目を光らせてはいますが、その不安を余所に禁を犯す生徒は未だに多くいるようです。

そのため、日本語教育は成長しても、留学市場は減少していくと言われています。

 

日本語教師に対する期待

将来の日本を担う重要な職業

日本語教師_将来_不安_1-4

新型コロナウイルスによる留学生数減少の影響は「今は日本語教師は目指さない方がよい理由」でも述べられていますが、今後外国人なくして日本が国として存続していくのは非常に厳しいと言われています。

そのため、外国人に日本語を教える日本語教師の存在が、今後も重宝されることは言うまでもありません。

例として「赤門会日本語教師養成講座」「郡山健康科学専門学校」「国際教養大学」の記事では、現役で活躍している日本語教師や、将来的に日本語教師として働くために養成講座を修了した人のリアルな声が紹介されています。また、「国内の日本語教育の概要」には、施設、機関の数や教師養成、コーディネーターの現状などについて詳しくまとまっています。

 

このように将来を不安視するのではなく、新たに大きな目標を掲げ、自分自身で道を切り開いて突き進んでいる人も大勢います。

自分のためだけではなく、生徒の成長にも大きな影響を与える職業なので、自ずとあなた自身の責任感も強くなるでしょう。

 

日本語教師は年齢の壁がない

日本語教師_将来_不安_1-5

ベンチャー企業を筆頭に若手を積極的に採用する企業も少なくない中、日本語教師の求人に年齢制限はありません。

また、必ずしも英語で授業をする必要はないため、TOEICで高得点を取得したり、英会話のレッスンに通ったりする必要もありません。

日本語教師に年齢は関係ある?」でも解説されているように、日本語教師の中で最も多い年代は50〜60代です。

この結果からも、日本語教師に求められる条件は、人生経験が豊富で即戦力のある人だということが分かります。

少なくとも年齢制限に対する不安はないので、将来を見据えて新しく挑戦する仕事としても非常に人気があり、おすすめの職業と言えます。

社会人として全く別の業種で働いた後に転職した人も珍しくないため、授業の中で日本の社会事情も含めた話をすると、良い刺激を受ける生徒も多くいるようです。

しかしもちろん、若い人が日本語教師になれないというわけではありません。詳しくは「新卒で日本語教師になること 〜メリットと努力ポイント〜」をご覧ください。

 

日本語教師の今後の在り方

日本語教師+得意な専門分野

日本語教師_将来_不安_1-6

仕事や進学以外に日本語を学ぶ目的が多様化している今、今後は日本語教師として日本語を教えるだけではなく、自分の得意な専門分野を持つことが強みになると言われています。

専門分野という表現に対して漠然とした不安を覚える人もいるかもしれませんが、そこまで神経質に捉える必要はありません。

例えば「日本語教師のズバリ!将来性は?」では、下記のようなちょっとしたことを専門分野として述べています。

 

 ◆面接や論文など受験対策も含めた指導ができる

 ◆メールの書き方などビジネスマナーに詳しい

 

ただ教科書通りに日本語を教えるだけではなく、生徒の将来や目標も視野に入れた上で、そのニーズに特化した指導ができる日本語教師は間違いなく重宝されます。

進学やビジネスの他にも、看護師や介護福祉士など、何かの分野に特化した専門性を身につけることは、必ずあなたの活躍の場に広がりを見せるでしょう。

 

日本の文化や歴史に関するプロになる

日本語教師_将来_不安_1-7

驚くべきことに、日本人よりも日本に詳しい外国人の数は少なくありません。

SNSを通した交流や情報の発信が常識となりつつある昨今、日本が誇るアニメや漫画、音楽やファッションなどのサブカルチャーも、絶大な人気を保っています。

日本に対する外国人の関心が高まる中で、日本の文化や歴史に関する正しい情報や素晴らしい魅力を伝えるのも、日本語教師としての大切な役割です。

日本語教育において日本語以外の知識を教えることは、生徒のためだけではなく、将来的な自己成長にも繋がると言えます。

生徒からの質問に対して、不安を覚えることなく堂々と回答できるようになれば、パニックに陥ることもなく、より仕事のやりがいも増すことでしょう。

 

また「日本語教師のキャリア形成に関する一考察」では「やりがい」と「失敗」は相互に関連し合っているという興味深いデータが発表されており、様々な障害を乗り越えてきた現役日本語教師のインタビューが紹介されています。

 

生徒の不安を取り除く

日本語教師_将来_不安_1-8

現地の日本語学校に通い、様々な国籍の生徒と共に授業を受けることはもちろん、来日して新しい環境に身を置く生徒にとって、不安によるストレスは計り知れません。

日本語教師として生徒の不安を少しでも払拭し、一人一人の将来に繋げていくためには具体的に何をすれば良いのか、どのようなことに注意すれば良いのか、授業だけではなく、生徒のメンタル面もサポートする必要があります

 

 

例として「学生と接する上で大切にしていること」より、現役で働く日本語教師が大切にしている3点をご紹介します。

  1. 生徒の出身国の文化・習慣がものの考え方のベースとなっていることに対する尊重。
  2. 海外へ初めて来たのが日本という生徒も多く、様々な不安を抱えているため、特にその日その日の心理状態を把握する、生徒の努力について褒める。
  3. 生徒の間違いを正す際に、少なからずプライドもあるため、それらに対しても注意する。

このように、自分の中で大切な軸をしっかり持って生徒と接することは、授業以上に重要なことでもあります。

日本語教師として生徒の気持ちに寄り添い、少しでも不安な感情を取り除くことができれば、生徒も安心して将来のことを考えられる余裕が生まれるでしょう。

 

まとめ

日本語教師_将来_不安_1-9

確かに収入面や留学生の減少においては、現時点で完全に不安がなくなるとは断言できません。

また「日本語教師ならではの悩み・不安」にもあるように、生徒と円滑にコミュニケーションを取ることができるのか、本当に将来ずっと続けられる仕事なのか、見えない現実に恐怖を覚える人もいるかもしれません。

しかし、自国や日本を愛する外国人を始め、日本語教師が多くの人々に求められる職業であることは紛れもない事実であり、今後も需要がなくなることはないでしょう。

今では日本語の学習方法も学校という教育機関だけにとどまらず、オンライン授業を通して学ぶ生徒も多くいます。

将来に不安を抱く前に、自分の得意分野をしっかり分析し、いかに効果的で意味のある授業を生徒に届けることができるのかが、日本語教師として成功する上での大切なポイントと言えるでしょう。

 

こちらのサイトのように個人でノウハウを提供してくれているサイトもあります。インターネットや書籍などを利用して、日本語教師としてのスキルアップを目指すことが、これからの時代を日本語教師として生きてくためには必要なのではないでしょうか。

 

日本語教師転職会員登録