日付2022/09/20

英語

日本語教師にも英語力は必要? 働き方に合わせて解説

日本語教師は、主に海外出身の日本語が母語でない方に第二言語、第三言語として日本語を教える職業です。基本的には日本国内で、日本語を扱いながら海外の方と関わる機会を得られるため、海外に憧れのある方にもおすすめできる職業といえるでしょう。特に海外で働くことができるほど自分の英語力に自信がない、という方で、異文化交流を求める故に日本語教師を目指す、という方もいらっしゃると思います。

 では、日本語教師に本当に英語力は必要ないのでしょうか? 日本国内で日本語を教えるだけなら、英語力はいらないように感じると思います。

しかし、結論を言ってしまえば、「英語力はあるに越したことはない」です。日本語教師でも、英語力が必要になるケースや、必要とは言わないまでもあった方が良いケースもあります。

 本記事では、どのように教えるか、どこで教えるか、など、場合わけをしながら英語力が必要か否かについて紹介していきます。
 

どのように教えるか?

  

 日本語に限らず言語の教授には、「直接法」と「間接法」の二種類があります。

直接法というのは、教授する言語を用いて教える方法のことで、日本語教師の場合には日本語を使って日本語を教えるやり方になります。これに対して間接法は、教授する言語以外の言語、生徒の母語やより慣れ親しんでいる言語を用いながら行う教授法です。日本語教師の場合には、英語や生徒の母語などを交えながら日本語を教えていくことになります。

 直接法を用いて教えるのなら、日本語以外のスキルは必要ないでしょう。国内の多くの日本語学校ではこの直接法が使われており、この場合には日本語以外は使用しないため、英語力がなくても問題ないといえます。

 ただし、間接法の場合には少し話が違ってきます。

 間接法では、生徒の母語やより慣れ親しんだ第二言語など、日本語以外の言語を使用して教えることになります。日本国内の日本語学校に通っている生徒のほとんどがアジア圏の出身であり、英語を母語とすることは少ないでしょう。しかし、英語は国際的に広く使われている言語であるため、母語ではないものの、日本語より英語の方が得意だ、という生徒も多いです。英語を介して日本語を教えることで、より誤解が少なく言語を習得することができます。

 日本国内で間接法を採用している日本語学校はそう多くありません。ただし、質問対応や生活面での支援など、生徒たちもまだ使いこなせていない言語である日本語以外の言語をコミュニケーションの手段として持っておくことは決して意味のないことではありません。

 また、次項で詳述しますが、国外で働く場合には間接法が中心となることが多く、その場合には英語力が求められることもあるでしょう。

 直接法と間接法については、こちらの 「日本語教師の英語力はどのくらい必要?海外で働くためには?」や「日本語教師に英語力は必要?現役日本語教師がお答えします。」も参考になります。合わせてご一読ください。

どこで教えるか?

国内で働くか国内で働くか、は大きな違いといえるでしょう。

先述したように、国内の日本語学校で働く場合には「直接法」が基本となります。

ただし、「間接法」が求められる職場も存在します。

一つは海外の日本語学校で働く場合です。

 海外の日本語学校で働く場合、現地の母語や英語のスキルが求められることが多いでしょう。また、日本語教授そのものは日本語で行うことができるとしても、同僚とのコミュニケーションや現地での生活に一定程度の英語力が必要になります。

 また、JICAなどが主宰する海外ボランティアでも一定の英語力が必要になります。英語力の証明としてTOEICやIELTSなど国際的な英語資格が必要になる場合もあるため、海外で働くことを視野に入れるなら英語力、英語の資格を持っておく必要があるでしょう。

 そう多くないケースではありますが、国内でも、外資系企業における従業員向けの日本語レッスンなど、英語力が求められる場合もあります。

 英語力が求められる海外での勤務について、詳しくは「英語が話せない人でも日本語教師になれる?必要な英語力レベルを状況別に解説します【海外の事例もあわせて解説】」や「日本語教師に英語力は必要?必要な場合と不要な場合について解説」も合わせてご確認ください。

 

オンラインで教える

 コロナ禍の 影響で、オンラインレッスンの環境が整い、注目度が上がってきています。どうしても対面授業とは違った難しさが発生してしまいますが、生徒側だけでなく講師側にとっても、感染リスクを避けながら勤務ができるのは悪い話ではありません。

 また、感染対策としてだけでなく、日本に住んでいながら海外の方にレッスンが可能だという点でも、オンラインでのレッスンは便利だといえます。

 そのような場合には、日本国内で働くケースであっても英語力が必要になることが多いです。

 オンラインレッスンでは日本語学校などの機関を介さず、生徒と一対一のコミュニケーションが発生するため、日本語以外の言語スキルがあった方が便利といえるでしょう。生徒一人一人の母語に合わせて対応するのは不可能でも、英語であれば多くの生徒が使えるため、英語を介してのコミュニケーションが便利なのではないでしょうか。

 オンラインでのレッスンに関しては、「日本語教師は英語ができないとダメ?英語力は必要?」や「日本語教師に英語力は絶対必要?働き方別に検証! - SenSee Media」なども合わせてご一読ください。

まとめ

日本語教師に英語力が必要か? という疑問について、様々な場合わけをしながら考えてきました。

やはり1番にいえるのは、必須ではないが、英語力はあった方が良い、ということではないでしょうか。

 日本語教師は日本語を教える仕事であり、働く場や相手を選べば英語力は必ずしも必要ではありません。ただし、英語力があれば働く場所や条件の選択肢が増えることは間違いありません。

 そもそも、日本に日本語を学びにきている学生にとって、日本語は第二言語、第三言語です。日本で教育を受け、日本語を母語とする人間なら、最も親しんでいる第二言語は英語になることが多いと思いますが、英語を勉強し、「異国の言葉を学び、身に付ける」という経験をすることも、日本語教師にとっては大切なことの一つなのかもしれません。

 また近年、日本語教師と英語教師の資格を両方とる働き方が少しずつ注目されてきています。

 二つともの資格を取っておけば、日本語教師としてのキャリアアップにつながったり、キャリアの安定感が増したりするでしょう。

 日本語教師と英語教師のダブル資格についてはこちら「これからの教師の生き方!日本語と英語教師のダブルの資格!」も参考になります。

 近年、こうした需要の増加に合わせて、英語圏で開講される日本語教師養成講座も増えてきています。前述のジャパンセンターでもシドニーでの養成講座が開講されていますし、オーストラリアで開講されている講座(講座の特徴 | JAPANEASY)もあります。

 スケジュールや資金に余裕のある方はこれらの講座に参加することで、日本語教師の資格取得と英語力向上を同時に目指せるかもしれません。

 英語力は、日本語教師の仕事だけに関わるものではない、一生もののスキルです。言語教育に携わるものとして、英語の勉強をしてみるのも悪くないのではないでしょうか