日本語教師に関する日本語教師転職記事MEDIA

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日付2022/10/13/

資格

日本語教師に必要な資格は?〜難易度・合格率の実情〜

●日本語教師になる方法  日本語教師は非常に魅力のある仕事です。それだけでなく、需要も増えている職業であるともいえるでしょう。「日本語教師とは? 日本語教師になる方法」によれば、コロナ禍による一時的な影響をのぞいて在留外国人は年々増え続けており、日本語学習者大まかに右肩上がりの推移を描いています。  ただし、あらゆる場面において、誰かに何かを教えるという行為は、決して簡単なものではありません。  その中でも、母国語が異なる外国人に対して日本語を教える日本語教師の仕事は、難易度の高い職業だと感じる人もいることでしょう。  しかし「誰だって合格できる?!日本語教育能力試験」にも記載されているように、下記条件のいずれかを満たしていれば、誰でも日本語教師になることができます。 大学で日本語教育の主専攻または副専攻を修了する 日本語教師養成講座420時間コースを修了する 日本語教育能力検定試験に合格する  これから日本語教師として働くことを目指している人は、まずどの条件が最も自分に適しているかを吟味してみましょう。 ●国家資格・公的資格・民間資格の違い 国家資格  国家資格とは、国が認めた資格のことを指します。  特定の職業に就くことを許可された資格で、さらに次の3つに分類されます。 業務独占資格 国家資格を取得していなければ、業務を行うことができない。 名称独占資格 国家資格を保有していなければ、職業として名乗ることができない。 必置資格 特定の事業を行う際に、企業や事業所に有資格者を設置しなければならない。  難易度が非常に高い職業としては、医師・税理士・公認会計士などが有名ですが、中には高校生や大学生でも取れるような、難易度が高くないものもあります。 公的資格  公的資格とは、文部科学省・経済産業省などの官庁・大臣が認定している資格で、民間団体・公益法人が実施しています。  また、商工会議所や地方自治体が主催している資格も公的資格となり、例としては英語検定や色彩検定、日商簿記検定などが挙げられます。 民間資格  民間資格とは、民間団体や企業が独自の審査基準を設けて、任意で認定する資格のことを指します。  法律で定められた資格ではないため、通信講座で手軽に取得できるものを含め、実に様々な種類の資格が存在します。  そのため、資格取得しても社会的評価を得られないものも多くありますが、MOSやパソコン検定など、就職活動や転職活動のために取得する人も少なくないようです。  また、仕事だけではなく、毎日の生活をより充実させるために、趣味やお稽古感覚で楽しむ人も多くいます。  また、後述する「日本語教育能力検定試験」は、この民間資格に当たります。 ▽国家資格と公的資格と民間資格の違いって?どんな資格があるの? ●日本語教育能力検定試験とは 日本語教育能力検定試験の概要  日本語教育能力検定試験はJESS(日本国際教育支援協会)が主催する資格試験で、日本語教師として必要な基礎能力があるかどうか確認することを目的としています。  受験資格に制限はないため、日本語教師を目指す人であれば誰でも受験できます。  試験内容としては「日本語教育能力検定試験の内容」にも記載があるように、次の3つの試験で構成されています。 科目 回答時間 配点 内容 試験I 90分 100点 日本語教育の実践に繋がる基礎的な知識 試験II 30分 40点 試験IおよびⅢについて音声を媒体とした出題形式 試験Ⅲ 120分 100点 現場対応能力に繋がる問題解決能力    出題範囲に関しては「令和3年度日本語教育能力検定試験実施要項」より、かなり主要項目が細分化されているため、難易度が高く感じる方もいるかもしれません。  しかし、近年は合格率も上昇しているため、独学でもしっかりと勉強していれば、決して難しい道ではないでしょう。 日本語教育能力検定試験の合格率  「日本語能力検定試験合格率の推移」のグラフによると、受験者数の増加に伴い、合格率も上昇傾向にあることが分かります。  受験者数は平成23年度から平成26年にかけて減少傾向にありましたが、平成27年度から徐々に増加し、令和に入ると一気に9400人を突破しています。  合格率も平成27年度から徐々に上昇し、令和2年度に関しては過去最高の28.9%を記録しました。「資格の王道:日本語教育能力検定」でも、近年の合格率は約30%ほどと紹介されています。やや低く感じるかもしれませんが、日本語教師を目指す人が増えたと共に、受験者の合格率も上昇傾向にあることから、資格の難易度に対して少し安心感を覚えた人もいるのではないでしょうか。 しかし、なぜ日本語能力検定試験の合格率は低いのでしょうか。 一つには、試験自体の難しさがあるでしょう。 日本語能力検定試験の試験範囲は、「社会・文化・地域」「言語と社会」「言語と心理」「言語と教育」「言語」の5つの区分に分かれており、広範で詳細な知識が求められます。独学での合格は困難だ、という人もいるほどです。 ただし、同じく日本語教師になるための要件の一つである日本語教師養成講座の受講が420時間を要することを考えると、同程度の時間を勉強に費やすとしたらそこまで高いハードルではないと言えるかもしれません。 もう一つは、これは当たり前のことですが、一年に一回しか機会がない、という点です。年に何回も受けることが出来れば、一度駄目でもまた次の試験、という風に切り替えていけるでしょう。しかし、年に一回となるとモチベーションを保つのが難しく、またその間の生活基盤を維持するのも大変です。 故に、「合格するまでチャレンジし続ける」のは少し難しいのかもしれません。その間他の仕事についていたり学校に通っていたりするのなら、勉強時間をしっかり確保するのはさらに困難でしょう。そういった点で、「機会が少ない」というのは日本語教育能力検定試験の難易度をあげるのに一役買っているのかもしれません。 日本語教育能力検定試験の難易度について、詳しくは「日本語教師になる為の検定の難易度と合格率」や「日本語教師の資格取得の難易度は?」などのサイト様も合わせてご覧ください。  とはいえ、日本語教師になるにはしっかりとした受験対策が必要です。資格取得の難易度にこだわらず、コツコツと努力を重ねることが先決と言えます。  積み重ねた努力は、後述する「試験に合格したあとの学習」にも生かせるでしょう。   日本語教育能力検定試験の日程      日本語教育能力検定試験は毎年10月に開催されており、年に一度しか開催されません。  また、試験は全国7都市(札幌・仙台・東京・愛知・大阪・広島・福岡)で行われ、税込14,500円の受験料が発生します。(※2021年9月現在)  日本語教育能力検定試験の日程は「日本語教育能力検定試験」よりご確認ください。  なお「【2021年最新】日本語能力検定試験とは?お役立ち情報まとめ」では、願書の提出期間や入手方法の詳細が記載されています。 ●一発合格するための勉強方法 長期的な学習計画  「【日本語教育能力検定試験の難易度について②】試験合格に必要な勉強時間は?」でも述べられているように、一般的には半年以上の期間が必要と言われていますが、これは本当に人によって異なります。  その理由としては、日本語教育について全くの初心者の人もいれば、既に何らかの形で日本語教育に携わっている人もいるため、必要な勉強量に差が生まれるからです。  社会人として働いている人は、特に勉強時間の確保が難しいかもしれませんが、「「日本語教育能力検定試験」の勉強方法 計画的な勉強」では、仕事をしながら検定試験の合格を目指す場合のスケジュール例が紹介されているため、是非ご参考ください。 過去問を解く  日本語教師になるための資格や試験の難易度に関わらず、過去問による試験対策は大変重要です。  「日本語教育能力検定試験を知る(4)問題数と回答時間」によると、例年マークシートの問題は全部で220問。  試験Ⅲでは記述問題もありますが、回答時間は全体で220分のため、1問に対してあまり多くの時間は掛けられないことが分かります。  勉強内容を頭に入れることはもちろん大切ですが、事前に模擬試験を重ねることで、本番のテスト形式に慣れておく必要があります。  試験内容の難易度が大きく変わることはあまり考えられないため、当日100%の力で臨むためにも、過去問はしっかり解いておきましょう。  なお「【日本語教師の試験は難易度高め?勉強のポイント3つ】1:過去問を解く」より、日本語教育能力検定試験の問題は書店やインターネットで簡単に購入できます。  テキストを解いたら試験までのんびりと構えるのではなく、解説を含めて理解力を深めていきましょう。 苦手分野の自己分析  「令和3年度日本語教育能力検定試験実施要項」からも分かるように、日本語教師になるための勉強量は膨大です。  そのため、難易度の高い問題も含め、限られた時間の中で効率よく吸収する必要があります。  これはどの資格にも共通して言えることではありますが、過去問を解いていくと、苦手な分野やスムーズに解けない問題が自ずと把握できるようになります。  聞き取りや記述式の問題が苦手な人は「【にほんご日和】苦手分野の把握と克服」を参考に、自己分析をしっかり行った上で万全に対策を練りましょう。 独学で勉強される場合には、参考書を使用するのもおすすめです。日本語教育を行うための書籍だけでなく、日本語教育能力検定試験合格のための書籍もたくさん存在しています。教師用の参考書を活用して学習に励みましょう。   ●日本語教師養成講座  日本語教育能力試験を受けるに当たり、必ずしも専門学校や通信教育で学ぶ必要はありません。  しかし、中には自分ひとりで勉強することに不安を覚えたり、疑問点が出た場合に誰にも相談できないことでストレスを抱えたりする人もいると思います。  その場合は「ヒューマンアカデミー」「TCJ日本語教師養成講座」「生涯学習のユーキャン」「ニューヨークアカデミー」「アークアカデミー」などの養成講座や養成学校を利用するのもおすすめです。  自分の学習スタイルに合わせて勉強に行き詰まらない方法を見つけ、ストレスなく知識を身に付ける環境を整えましょう。   ●合格したあとは? ・日本語教育能力  日本語教育能力試験に合格したら、すぐに日本語教師として働くことができうrのでしょうか? 残念ながら、そうでは無い場合の方が多いでしょう。資格を持っていることと、実際に教えることができるのは別です。「誰だって合格できる?! 日本語教育能力検定試験」でも、検定試験合格後の学習の必要性が説かれています。   ●まとめ 日本語教育能力検定試験の難易度  日本語教育能力検定試験は出題範囲が広く、年に一度しか開催されないため、他の条件に比べると、難易度は少し高いかもしれません。  しかし、自分自身と向き合って知識を深めることができるため、確実に力をつけることができるでしょう。  また、独学が難しければ養成講座や養成学校もあるため、自分に合った勉強方法を見つけることができます。  資格取得は日本語教師になるための通過点に過ぎませんが、決して無駄な時間にはなりません。  実際に検定試験に合格した方も「日本語教育能力検定は難しい?難易度・合格率を徹底解説」で述べているように、資格取得のために勉強した内容は日本語教師として働くために有益な知識ばかりです。  年々合格率も上昇しており、独学で取得している人も多くいるため、資格の難易度に対してあまり身構える必要はないでしょう。 日本語教師の仕事における難易度  近年日本語教師はじわじわと人気になりつつある職業の一つですが、求人募集ではまだまだボランティアや非常勤講師が目立っています。  日本語教師の就業実態に関しては「87.7%はボランティアか非常勤、常勤は12.2%という現実」でも厳しく言及されており、低収入の問題についても触れています。  また、「日本語教師の資格や養成に関する課題」でも指摘されているように、教師によって日本語教育に差があると言われることも少なくありません。  よって日本語教師になるまでの難易度はそれほど高くありませんが、日本語教師として働き始めると、苦労を感じる人も多くいることでしょう。  しかし、アメリカやオーストラリア、アジア圏などの海外で働いたり、オンライン講座で副業として収入を得たり、日本語教師としての働き方は多岐に渡ります。  そのため、新しい世界に飛び込みたい人や、国籍を問わず多くの人と関わりたい人にとっては、正に天職と言えるでしょう。  失敗を重ねながらも自分の中の理想とする日本語教師を描いて突き進めば、きっと明るい未来に近づくことができるはずです。

日付2022/10/13/

英語

日本語教師に英語力は必要だろうか?

結論:英語力はあったほうがもちろん便利 英語ができることのメリット  日本語教師を仕事にするなら英語力は必要ないという意見はあります。それは日本語教師のほとんどが日本で仕事をしているからです。というのも、日本語を教えるときはほとんど「直接法」といって日本語を日本語で教えます。 日本で日本語教師をするし、日本語だけで教えたいので英語力なんていらない、 日本語教師は英語力は必要?と思った方、少し考え直してみてください。  私は英語力はあったほうがいいと非常に強く考えています。もちろん必須項目ではありませんので、ないからといって日本語教師失格とは言いません。 英語のスキルは必要・あったほうがいい理由は以下の通りです。 ①語学を習得する大変さを知ることができるので、学習者の目線に立った指導ができる  教育者自身が母語以外の語学を学ぶことで、学習者がつまづくポイント、さらにはわかりやすい教え方まで知るヒントになります。ですので教育者として、学習者の立場に立った視点があるかないかは授業進行で大きな差に繋がりかねません。  特に授業中に出る学習者からのバリエーション豊かな質問は、語学を教える立場しか知らない人間よりも語学を学んだことのある人間のほうがよりわかりやすく解答ができるように思います。 ②学生とコミュニケーションがとりやすい  これは一概には言えませんが、学習者が英語圏出身の場合や学習者自身が英語をある程度学んでいれば「日本語+英語」でコミュニケーションをとることができます。  授業の進め方が「間接法」であれば英語やほかの言語を用いて日本語を教える場面も十分あります。  例えば英語ではないですが、私の場合面接を控えたベトナム学生の方にベトナム語で「Cốlên!(頑張って!)」というだけで、表情が明るくなりとても親しみやすくなったようでよく話をしてくれるようになりました。  英語の能力だけでなく様々な国に合わせた言語を単語一つでも知っておくだけで、ぐっと学習者との距離が近くなります。 ③働く場所が広がる  日本語教師の働く場所は多くの場合「日本語学校」だと思います。また、世間一般的にも日本語教師は日本語学校で働くイメージもあります。  しかし、日本語教師の働く先は日本語学校だけではなく様々な教育現場が広がっています。 例えば、英語と日本語両方の教師の資格をとっている場合の働き方について、詳しくはこちらのサイトをご覧ください。 他にも、 ◆外国語学校やインターナショナルスクール(外国人が増えているので必然的に外国人国籍の子供も増えており、今後も需要は上がってくるでしょう) ◆日本にある米軍基地(実際に求人も出ているのを見たことがあります) ◆オンラインレッスン(コロナ禍でオンライン授業やレッスンがコロナ以前より多くなっています) ◆海外の日本語学校や企業にて講師勤務 など、英語力を身につける、英語教師としての資格をとることで働く場所は無限に広がります。資格を生かして英語教師として働く道を考えるのも良いでしょう。 いま挙げたほかにも日本語教師が活躍できる場は広がっています。 日本語学校というくくりで言うとコロナの影響で生徒数が少なくなり、 非常勤講師が働けなくなっておりますが、その分オンライン授業やレッスンが増えて稼いでいる講師もいます。 オンラインでは本当の意味で垣根なくレッスンができるので、人種のバリエーションが多いです。 もちろん、日本語学習者たちがみな英語を母語としていたり、得意としたりしているわけではありません。むしろ、英語圏出身の日本語学習者は少数派と言えるでしょう。ですから、間接法で教えようとすると、ベトナム語、インドネシア語、中国語......など、むしろ英語以外の語学力が必要になってくる場合があるかもしれません。 日本語教師に英語力が必要な場合と不要な場合はもちろんあります。 しかし英語ができる、というだけでいろいろな可能性が広がっていくので勉強しない手はないと思います。 実際に、文化庁の基準でも、専門家としての日本語教師には日本語以外の様々な言語文化に対して通じていることや、グローバルな視座をもつことが求められています。前述したように、英語だけが全てではありませんが、公的な文書で使われることも多い英語を身につけておくことで、アクセスできる情報が増えることは確かです。自分の世界を広げ、それを教育に生かす、といった意味でも、英語ができて悪いことはないでしょう。 英語力が必要なのかどうか、日本語教師の英語力について書かれたこちらのサイトや、こちらのサイトもご覧になってください。海外で働くことを考えている場合には、こちらのサイトもおすすめです。 私は英語ができないから、日本語教師になれない! ということではありませんので、英語力がない人でも諦めないでください。 では一体どれくらいの英語力が必要なのでしょうか 英語力があったほうがいい、ということはわかっていただけたと思います。 では実際日本語教師にとって英語力はどれくらい必要だと考えますか? 世間一般に履歴書に英語スキルを書くにはTOEIC700~750点以上、英検は準1級以上とも言われております。しかし日本語教師に必要な英語力というのは、一様にここまで!ということは言えません。なぜなら、先ほどにもあったように日本語教師が働く場所は多種多様だからです。 日本国内の日本語学校で働く場合、「直接法」で教える場合、英語力はコミュニケーションや挨拶ができる程度でも問題ないと思います。 ですが、もし英語圏や英語のスキルが高い学習者に教える場合や、海外で日本語を教える場合はコミュニケーション以上の英語力が必要になります。 新しい文型の導入や文法・用法の説明まで英語でする方が、学習者の日本語理解も深まります。 また、海外で日本語教師を採用する場合は英語レベル~~以上という記載はほぼ確実にあります。ですのでTOEIC700~750点以上、英検は準1級以上はあくまで目安ですが、海外で働く場合はこれくらいはとっておいた方がいいといえるでしょう。 オンラインでレッスンをする場合でも英語を交えることで理解速度も早まる場合がありますので、文型・文法・用法・簡単な語彙などを説明できるような英語力があるほうがいいです。 もちろんこの英語力が就職活動時のアピールポイントにもなります。 いまから日本語教師を目指す方は英語スキルを高めておいて損はありません。 日本にいるなら全く英語力は必要ない!と言い切るサイトもありますが、みなさんが働く場所に合せて必要な英語力レベルがどれくらい必要か考えてみてください。 おすすめの英語学習方法 英語を今から学習するのは面倒だなーと思った方、英語を学んでいたのなんて数十年前だよという方もいるかもしれません。 そんなみなさんに朗報です。 英語の学習方法は日々更新されています。 いまではスマホを使って簡単に学習を積み重ねることができます。 YouTubeを使用してリスニング、アプリを使って語彙文法学習などスマホ一つで英語力を上げることができます。 私が特におすすめなのは、「TED Talk」というアプリです。 もとはアメリカのプレゼンテーション企画で、サイトなどで動画を観ることができました。 TED TEDは世界中の有名学者や企業家などが英語でプレゼンテーションを行います。 字幕表示や翻訳表示に対応しており、アプリによっては選んだプレゼンテーションからクイズ形式で英語の学習ができるものもあります。 日本語教師におすすめの学習方法としては、HellotalkやTandemなどのアプリを用いて日本語話者以外の人と語学を教えあうのがおすすめです。 相互学習を目的としたアプリで、気軽に英語話者やその他の言語学習者と繋がることができます。 語学の学習方法には昔から様々なものがありますが、やはり誰かと一緒に学び日々使っていくことが習得への道だと思います。 実際私は多くの外国人学生と接する機会がありますが、日常的に日本語を使用しているか否かは日本語レベルに大きく起因していると感じています。 学校や家で学ぶだけでは高いレベルの言語を習得できず、余計に自信を失ってしまいかねません。外国人学生をみていてもそれは強く感じます。 日本語教師には英語の能力は必ずしも必要ないかもしれませんが、語学を学ぶ方法や大変さ、伝えるときの緊張感や恥ずかしさは経験しておいた方がより学習者の心に近づけます。 ですので、いま自分の英語力に自信がなくても日本語教師を目指す方、すでに日本語教師をされている方には是非、英語だけでなく興味のある言語に少しでも触れていただきたいなと思っています。   より実践的に英語を学ぶ機会として、英語を使う生活を送る、というものがあります。英語圏に留学したり、あるいは日本国内でもインターナショナルスクールや海外風土の企業のような、英語がなかば公用語になっている環境に身を置いたり、などと言った方法があるでしょうか。 英語力を向上するためだけにこうした方法をとるのは、費用面でも時間面でも少し難しいですよね。しかし、日本語教師を目指す人ならではの方法が一つあります。 それは、「英語圏で日本語講師養成講座を受講すること」です。 実は、日本語教師養成講座が開講されているのは日本国内だけではありません。英語圏で開講されている日本語教師養成講座を受講することで、日本語教師として働く要件を満たすのと同時に英語力を向上させることができます。 英語の授業が開講されているわけではありませんが、英語圏で暮らすことで半ば強制的に英語を使う機会が増え、自然と英語力が向上していくでしょう。 例えばオーストラリアで開講されている「講座の特徴 | JAPANEASY」こちらの講座では、英語圏で採用されている間接法での教授法も習得することができ、かつ英語圏であることで英語力の向上も見込めます。 また、併設された日本語学校ではオーストラリアの学生だけでなく、ヨーロッパ、アジアなど様々な地域からの日本語学習者が学んでいます。多様なバックグラウンドをもつ学生たちと交流することで、多文化について、異国語を学ぶということについての造詣も深まるでしょう。   また現在、「日本語で日本語を学ぶ」という入り口で挫折してしまう多くの英語話者、英語理解者へとアプローチするため、世界に通用する『国際日本語コーチ』を育成する、という講座も始まっています。 日本の文化を愛し、学ぼうとしてくれている外国人は依然として存在します。そうしたニーズに答えられる日本語教師の需要は、これから高まっていくのではないでしょうか。 日本語教師にインタビューし、「英語力が必要か」という内容も盛り込んだものを記事にまとめたサイトもあります。 また、「にほんむら」という日本語教育界では有名なサイトでは様々なアンケート調査が行われており、「日本語教師に外国語学習は必要か?」というアンケートもありますのでご参考ください。   終わりに 現在日本語教師の必須スキルとして、英語は入っておりません。 しかし、多種多様な人種を相手にする職を選ぶのであれば「英語力」は切っても切れない関係のように思います。 学習者の母国で英語が主力ではなかったとしても、学校で学んでいることは多いです。ですので、簡単な語彙の日本語や英語で意思疎通を図ることもできます。 もちろん、イントネーションや国訛りの英語で混乱を招くこともありますが、そこも含めて「語学」というものに面白味があると思います。

日付2022/10/13/

将来性

「日本語教師」という職業に将来性はあるか?

  〜 将来性がない、と言われるのはどうして? 〜    そもそも、なぜ日本語教師は将来性がない、と言われてしまうのでしょうか。教職全体の問題として、給料が比較的低い・労働時間が増えがち、といった欠点はあるかもしれません。ただしそれですぐに将来性がない、ということになるかどうかはまた別の話です。    日本語教師に将来性がないと言われるのは、「アジアにしか需要がない」「学習者の数は今が頂点」という理由が主です。 もちろんアジア圏以外、例えば欧米にも日本語学習者はいます。ただし、そうした学習者たちは往々にして趣味で日本語を学んでいる人たちであり、日本語教師が安泰だというほどの需要は見込めません。 また、国内の日本語学習者の数、これは国内における日本語教師の需要と読み替えることも可能ですが、こちらも現在に向けて増加傾向にあるものの、今がピークであり、この先は減っていくものと予想されています。この増加は日本に興味を持っている人が増えたというよりも、入国制限などに関する手続きの問題であり、今後も増えていくことは期待できない、ということです。 日本語教師の将来性への不安について、詳しくはこちらの記事「今後、日本語教師の需要と将来性がある国 | JEGS」も合わせてご覧ください。   ~ 将来性はある! その1 ~ しかし、日本語教師に将来性はあります! なぜならば、報道発表資料にもあるように日本という国が、他国から人を大歓迎で迎え続けているからです。これは将来そうなるというお話ではありません。既に、日本は国の方針としてそちらに舵をきっていますし、(コロナウィルスの出現で不透明ではあるものの)それがそのまま続いていく流れにあります。 そして、日本語教師を必要とする方、つまり学習者は日本在住とは限らないこともプラス要素です。教師自身が他の国にいて、そこで教えるパターンも多いです。日本で働くことを目指す海外の方たちが、現地で日本語を学ぶための教育機関は多く存在します。さらには、日本にいながらでも日本語教師の活躍の場はあります。オンラインレッスンが、既に普及しています。これについては、テクノロジーの進化とともにさらに伸びていってもおかしくないと思います。伸びしろ十分です。 アフターコロナの日本語教師について、下記リンク先でも詳しく記載があるので、ご確認頂ければと思います。 アフターコロナで日本語教育業界がどうなっているか?  また、こちらの記事【日本語教師の需要】コロナ後の日本語教育業界はどうなる? 国内外の就職についても解説 でも、アフターコロナの日本語教師の授業について紹介されています。日々刻々と変化するコロナ情勢をなるべく確実にキャッチして、日本語教師としてどう生きて行くか対応を考えましょう。  コロナ禍の影響はあくまで短期的な要素であり、10年、20年と長い目で見れば日本語教師の需要は増加しています。こちらの記事 日本語教師は需要ないって本当? 現役日本語教師が本音で解説 では、外国人受け入れ増加による日本語教師の需要急増について詳しく確認できます。本ページと合わせてご覧ください。   ~ 将来性はある! その2 ~ 私が日本語教師に将来性を感じる部分をもう1点挙げるならば、働き盛りの若者の中に日本語教師で生計を立てようとする人が少ないがゆえに、競争が激しくない点です。まず、一般的な認知度があまり高くないのです。子どもが日本で公教育を受けていく過程の中で、日本語教師の仕事がクローズアップされたり、その周辺について触れることは多くないと思います。加えて、この業界との接点が少ない人にとって、日本語教師という仕事は専門性を感じられない職業ではないかと考えます。日本語母語話者だったら誰でもできるのではないかと考える人がけっこう多い印象です。なぜ、一般的な認知度が低かったり、専門性を感じられないということが将来性の高さに結びつくのか。   認知度の高い職業 × 専門性が高い(ようにみえるもの含む)                 = 目指す人が多い職業   これらのことを踏まえると、前述の計算式とは反対で認知度が低く、専門性が低いようにみえる日本語教師はそれほど競争の激しいフィールドではないと考えられます。 ※もちろん、顧客の奪い合いと言う意味での競争はあります。 ※そして、日本語教師は専門性があります。 ※得意とする専門分野を持つことで日本語教師として有利に戦える、という事情もあります。特に長期的な需要を見込みたい方にとっては、専門性を高めることは避けては通れない道でしょう。詳しくはリンク先の記事をご参照ください。日本語教師の需要と将来性について しっかり学校などで日本語教師を学ぶのであれば「スタディサプリ」などの学校探しの媒体から探してみてください。勉強せずに飛び込むと痛い目を見ます。   ~ 将来性はある! その3 ~ その2で話したことと重なりますが、競争の激しくない理由として、日本語教師という職業は平均年齢が高いという部分についてもお話しましょう。日本語教師という職業は常勤としての枠は少ないです。非常勤講師でかけもちをする、副業としてやる、フリーランスとして働くうちの1種類と捉える。これらのようなスタンスの方であれば枠は十分あります。これだけで、もうわかりましたよね? 「日本語教師6年目の方が、収入面で将来性を語る」にも書いてありますが、安定した収入を1つの職場だけでかなえようとするとき、日本語教師はあまり向いてはいません。そのため、安定志向の強い20代や30代の若者が選ぶ職業ではないのです。 日本はこれからどんどん他国の方を受け入れていく流れがあるが、その流れにあっても職業として日本語教師を目指す人はあまり多くない。これは、将来性がありそうではないですか? そもそも、日本語教師の資格を取得しても、結局その仕事をしない方が多い。私自身がそうです。資格を取得してから10年弱は全くの別業界で会社員をしていました。そういう話は同業者の皆さんに多い話です。あるあるなのです。   ~ 日本語教師の今 ~ 日本語教師の将来性を考えるためには、現在日本語教師にはどのような職場があるのかを整理した方がいいですね。 ユーキャンなどにもコラム(日本語教師の需要は?今後の見通しと、国内外での就職について詳しく解説)の記載がありますが、サラッと挙げられるものをいくつか紹介します。   まず、日本語教師の現場とはどこか? 一番わかりやすいのは日本語学校です。留学生を受け入れている代表的な教育機関です。当然、コロナウィルスによる影響を強く受けているところです。なにせ、その時々の感染状況や国としての対策によって入国ができなくなってしまうのですから。日本語学校の入学タイミングは、おおよそ4月・7月・10月・1月の4期、もしくは4月・10月の2期のどちらかです。   次に、大学や専門学校も挙げられます。そして、こちらも影響の大小はあるものの、日本語学校と近しい状況にあります。ただ、日本語学校と違うのが、コロナ以前に日本に留学してきた方々の進学先として機能していることです。日本語学校で1年~2年間学んだ後、次にこの2種類の教育機関に進むパターンが多いのです。しかしながら、日本語学校で留学生が思うように受け入れられなくなってしまえば時間差でこちらにも、、、という状況。   まだ他にもあります。技能実習生に日本語講習を行う場合にも、日本語教師は活躍します。技能実習生には働いてもらう以前に日本語の講習をしなければいけないからです。これについては、日本語学校などの教育機関に比べれば求人数は少ないのですが、求人サイトやハローワークをこまめにチェックしていると募集が出ていることもありますね。   そして、紹介しないわけにはいかない、個人レッスン。1対1もあれば、1対複数もあります。対面もあれば、最近はオンラインの希望者数に勢いを感じます。オンラインであれば場所を問いませんからね。どうやって学習者とつながり、依頼を受けられるかという点に関してですが、2パターン紹介します。オンラインプラットフォームに登録するか、仲介企業に登録するか、このどちらかがスタートには適しています(というか、楽です)。前者については、インターネット上で学習希望者と講師のどちらも登録を受け付けているウェブサイトがあります。学習者に見つけてもらえて、トライアルレッスンも気に入ってもらえれば、マッチング成立、というような流れが一般的かと思います。後者は、外国語講師派遣ビジネスを展開する企業の登録講師になるということです。基本的にどちらのパターンを選んでも中間マージン(手数料)は取られますが、とにかく経験を得たい、実績を積みたいという方にはうってつけです。   日本語教師のフィールドはもっと広いのですが、比較的始めやすいところを選びました。将来性という点で、個人レッスンはオススメです。特に、人とのコミュニケーションが好きだったり、相手に合わせて臨機応変に対応を変えることが得意な方には ◎ です。   ~ 日本語教師のこれから 民間資格から、国家資格へ? ~   日本語教師資格が国家資格になる可能性がとても高いです! これはもうご存知の人も多いかもしれません。現在、「公認日本語教師」という名前の国家資格を新設すべく、文化庁主体で有識者会議が定期的に実施されています。 そう、日本語教師は国家資格ではありませんでした。では、そもそも日本語教師の資格って何か?何か取得したり、条件ってあるのか?以下、ご参照ください。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ ◆四大卒+文化庁届出受理の日本語教師養成420時間講座を修了 ◆日本語教育能力検定試験に合格 ◆大学または大学院で日本語教育を主/副専攻(45単位/26単位) 以上のいずれかを満たす ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++  こちらは法務省告示機関と認められている日本語教育機関で勤務する場合の条件です。しかしながら、実はこの条件は色々な日本語教師求人においてよく使われています。日本語教師としてある程度稼ぎたいとお考えであれば、前述の3つのいずれかは取得しておくことをオススメします。  さて、話を戻します。日本語教師の将来性を考える上で無視できない国家資格化。なぜ、日本の偉い方々が日本語教師という職業を国家資格にしようとしているのか。この点を整理しておきましょう。 平成23年の東日本大震災の後に一度在留外国人の数は減少したものの、数年を経て再度増加へと転じました。再度、コロナウィルスの影響で減少したとはいえ、令和2年末現在の在留外国人は 2,887,116人 です。10年前の平成22年時点で2,047,349人と比較して約84万人増、どんどん増えています。  もちろん、これは自然に、何もしていないのに増えている、、、のではありません。 日本人なら嫌でもよく聞くワード「少子高齢化」。令和3年1月に総務省が発表した人口推計をみると、日本人の総人口のうち65歳以上の割合は約29%。きっと、この割合はさらに増していくでしょう。日本国内のお仕事は、日本人だけでまわしていくことは現実的でないということです。「日本で働きたい!」と思ってくれる外国籍の方がいれば、(日本のルールを守ってくれるならば)喜んでお越しいただく。日本という国がそのような体制をとっているのだから、在留外国人は増えています。コロナウィルスの問題が落ち着いていけば、再度増加傾向に転じる可能性が圧倒的に高いでしょう。 日本語教師の需要について、具体的に知りたいならこちら! 将来的に国家資格になる可能性があるとはいえ、現状は日本語教師の資格は民間資格です。現在、日本語教師の資格を持つ人がどのように働いているのか? どんな人が資格を持っているのか? 詳しく知りたい場合にはこちらの記事をご参照ください。  

日付2022/09/22/

将来性

日本語教師は将来が不安?

日本語教師は、日本語を母語としない外国の方に対し日本語を教える仕事です。多くの場合は日本国内で働きながら海外の方と関わることができ、異文化交流のチャンスをもつことができると言った点で、日本語教師という仕事は大変魅力的です。   しかし、いざ「日本語教師になる」ことを考えてみたとき、将来に関して不安に感じることもあるのではないでしょうか。実際に日本語教師として働くことはどれほど大変なのか、収入や生活は安定するのか、といった不安を抱える方は少なくありませんし、最近であればコロナ禍の影響なども心配になってきます。   本記事では、日本語教師として働く方々が直面することの多い不安や疑問について、どうしたらそうした不安を解消できるのか、ということまで含めてまとめていきます。 日本語教師が抱える不安にはどのようなものがあるのでしょうか。もちろん人によって様々な疑問や不安があるでしょうが、代表的なものをいくつか挙げるとすれば ・収入面・待遇面での不安 ・授業準備、実際の授業への不安 ・コロナ禍での需要への不安 などになるのではないでしょうか。一つずつ見ていきましょう。   収入面・待遇面での不安 日本語教師を目指す人の不安として、「給料が少ない」というものがあると思います。 現役日本語教師の方の意見や体験談を聞いていると、残念ながらその傾向は事実としてあるようです。 収入はそう多い方ではなく、また授業の時間だけでなく授業準備や生徒指導などでも拘束時間が発生するため、重労働の割に薄給だ、という印象になってしまいがちです。 また、日本語教師の7割が非常勤講師だと言われており、「働き方が不安定」というのも日本語教師を目指す人が抱える不安としてよくあるものだと思います。   →解消するには? しかし、こうした不安も努力次第で解消することが可能です。 例えば、日本語学校での非常勤講師では給料はそう高くありませんが、経験を積み、専任講師として勤務できるようになればもう少し安定した収入が見込めます。また、大学などの期間で働く場合でも日本語学校で働くよりも高い給料が得られます。 海外での勤務を視野に入れるのも良いでしょう。英語力や英語の資格、一定程度の現地語の能力が必要になるかもしれませんが、その分待遇も向上するでしょう。手取りの賃金としては変わらないかもしれませんが、物価の関係で海外で働く方が生活が楽になる場合もあるようです。 また、海外経験それ自体がより良い職へのきっかけになることもあります。日本語教師は異文化との関わりが必然的に生まれる職ですので、海外経験を積んでおくことで生徒の悩みにより共感できるようになります。また、海外経験に関わらず、大学院への入学、社会人経験など、様々な経験が日本語教師の求人では歓迎されます。ぜひたくさんの経験を積み、ご自身のキャリアに生かしてください。   準備・授業への不安 授業をするには、日本語文法の知識が必要であるだけでなく、生徒のレベルに合わせたカリキュラムや教材作りも求められます。また、日本語教授以外に生徒の生活面での指導や相談などもする必要があり、激務だと言われています。 日本語教師になるのには様々な条件がありますが、資格などがあるわけではなく、人によって方法は様々です。日本語教師養成講座などを受講した人と違って、日本後教育能力検定試験に向けた勉強だけで日本語教師になった方々にとっては、実践面での知識の不足などが気にかかるのではないでしょうか。 実際に、日本語教師の教育不安に対する研究では、日本語教育に関するスキルやクラスでのコミュニケーションなど、実践面をあげる人が多いようであることがわかっています。   →解消するには?    前述の研究でも示されている通り、スキル不足、実践面に関する不安は、経験を積むことによって解消されます。色々と不安はあるでしょうが、まずは1年、2年と続けて勤務していくことが大切です。 また、教材準備に関しては、経験を積むことで使い回しができるようになり年々楽になっていきます。もちろんブラッシュアップを重ねる必要はあるでしょうが、1から作るほど大変ではないのは確かです。 私自身、教育機関で働いた経験がありますが、やはり年数を重ねるにつれ授業準備の時間が減り、楽になっていきました。これは、教材を使い回すことができる、ということももちろんそうですが、それ以上に「生徒はどこを疑問に思うか?」「どの項目を重点的に教えるべきか?」ということが、経験を積むうちにわかってくるからです。教材全体を網羅的に見るのではなく、ポイントポイントで準備をすることができるようになり、かける時間も少なくなります。   コロナ禍での需要への不安  2022年9月現在、長く苦しいコロナ禍が始まってからおおよそ3年が経とうとしています。日常生活の多くが制限され、不便な思いを強いられている人も多いでしょう。日本語教師は特にこの影響を強く受けた職であるといえます。なぜなら、コロナ禍に伴う入国制限により留学生の入国が大幅に遅れ、その間の求人や業務もその煽りを大きく受けたからです。  このような事態は滅多にありません。とはいえ、今まさにこうした状況を体験している皆さんからすれば、不安に思うのも当然でしょう。日本語教師という職そのものが今後どうなってしまうのだろうと考えるのも無理はありません。  日本語教師という職が、時世に影響されやすい職であることは事実です。そもそも日本で働きたい、日本で学びたい、という学生なしには成り立たない仕事であり、相対的な日本の魅力度や経済状況、また国際情勢など、職に影響を及ぼす要因は大変多く、安定と言った意味では不安が残るかもしれません。実際、「今は日本語教師は目指さないほうがよい理由 | JEGS」では、日本語教師になるのならよく考えた方がいい....もとい、今はやめておいた方が良いのでは、と議論されています。   →解消するには?  この不安に関しては、個人で解消するのは難しいでしょう。日本語教師以外のキャリアを見据えた資格取得や研鑚は可能でしょうが、「日本語教師として働いていく上での不安」としては解消されません。  ただし、未来はそう暗い見通しばかりではありません。日本語教師の将来について、逆に明るく、長期的には需要は安定、あるいは増加すると予測している人もいます。「日本語教師の需要と今後の将来性【国内専任講師7年目の僕が説明】」などを読むと、少し明るい見通しが持てるようになるでしょう。  こればかりは国の制度改定や国際情勢に影響される部分が大きく、不安は全くないとも、不安ばかりだとも言い切ることはできませんが、個人にできることがないわけではありません。資格取得や、外国語の習得など、もし職が不安定になっても対応できるようなスキルを身につけておくと良いでしょう。 まとめ 以上、日本語教師が抱える不安についてまとめました。おおよそどの不安にも共通して言えることは、個人の努力や経験によって少しずつ解消することができる、という点ではないでしょうか。語学能力を高めたり、資格を取得したり、海外経験をつんだりなど、日本語教師として、あるいは日本語教師をやめた後でも活躍していけるように自らを高めることが、不安の解消につながります。 将来を見据えてしっかり考えることと、闇雲に不安を抱えることは別です。当サイトの別記事や、リンクで紹介したサイトさんなども参考にしつつ、ご自分の将来について考えてみてください。  

日付2022/08/02/

資格

日本語教師に必要な【英語力】と【資格】を解説!

日本語を教えるだけなら、英語力も資格も不要。しかし日本語教師として就職し、専門家としてプロを目指す場合には、日本語教師の資格と英語力があるほうが圧倒的に有利です。日本語教師の適性についてはこちら『日本語教師に向いているのはこんな人』もご参照ください。   この記事でわかること(目次) 1        日本語教師に必要な【資格】を取るには    1.1       1.日本語教師養成課程を【大学・大学院で】履修    1.2       2.日本語教師養成研修【420時間】を受講    1.3       3.日本語教育能力検定試験に合格    1.4       英語力を生かして【海外】で日本語教師の資格を取得 2        日本語教師に必要な【英語力】    2.1       この記事での【英語力】の定義    2.2       【日本で働く】場合に必要な英語力    2.3       【海外で働く】のに必要な英語力 3        まとめ   日本語教師に必要な【資格】を取るには 学校や企業に日本語教師として就職することを目指すなら、日本語教師の資格が必須となります。日本語教師の資格を得るには主に3つの方法があります。 1.日本語教師養成課程を【大学・大学院で】履修 2.日本語教師養成研修【420時間】を受講 3.日本語能力検定試験に合格 ここからは、3つの方法を具体的にご紹介します。 1.日本語教師養成課程を【大学・大学院で】履修 大学で日本語教師養成課程を履修すると、就職先の選択肢が広がるので人気です。 日本語学校の多くが日本語教師採用に「4年制大学卒業」を条件とするところが増えました。 なぜなら、「法務省告示校」において、日本語教師の条件に「学士の資格」が加わったのです。 法務省告示校とは、留学ビザが与えられ、外国人留学生を受け入れることが可能な日本語教育機関(出入国管理庁:告示された日本語教育機関等)のこと。 文学部や外国語学部、国際関係学部などで、日本語教育関連科目を履修し、卒業すると日本語教師の資格を得られます。大学の場合、主専攻で日本語教育関係科目を45単位以上、副専攻で26単位を履修する必要があります。 海外の研修先が用意され、日本語教育の実習ができる大学もあるようです。大学を卒業して学士となれば、日本語教師としての進路の幅が広がります。   2.日本語教師養成研修【420時間】を受講 文化庁が出すガイドライン「日本語教育のための教員養成について(文化庁HP)」で定められた420時間の研修講座を受講すると、日本語教師採用試験の応募資格が得られます。 働きながら夜間で受講できたり、オンラインのコースがあったり。受講者のニーズに合わせた講座が展開されています。日本語学校が併設されている講座もあり、そのような講座は受講が就職に直結するので人気です。   3.日本語教育能力検定試験に合格 知識のみが問われる試験で、実技がありません。合格すれば専門知識があるとみなされ、就職面で有利に働きます。試験は年1回、秋ごろに行われ、合格率は2020年度試験で28.9%(全科目受験者9,033人/合格者2,613人)。 受験するのに、学歴や年齢の要件はないので、誰でも受験できます。試験内容は広範囲にわたります。 最近の動きとして日本語教育能力検定試験は、令和4年度の試験より「必須の教育内容」 (文化庁)に準じた出題範囲に移行します。(日本国際教育支援協会より引用)とあるように、日本語教師の国家資格化に向け、試験内容の移行が発表されています。 合格すれば文化庁の定めるガイドライン(文化庁)の日本語教師の有資格者になれますので、人気です。 独学できますが、短い時間で効率よく勉強するために「通信教育」を利用する人も多いです。合格を目指すための講座がたくさん開講されていて、時間や金銭面で余裕がない方にもおすすめのルートです。 これまでご紹介した3つの方法で日本語教師の資格を得るのには、英語力は不要です。しかし日本語学習者を相手に実習する場面では、「英語話せたら、もと交流できたのに」という場面があるかもしれませんね。   英語力を生かして【海外】で日本語教師の資格を取得 英語が得意な人の中には、海外で日本語教師の資格を目指したい方もいるでしょう。ここでは、日本の外で日本語教師の資格を得る方法についてご紹介します。   日本の企業があっせんする日本語教師養成講座 420時間の日本語教師養成研修を、海外で実施するプログラムです。主に日本の企業がプログラムを展開しています。 日本で開講している日本語教師養成プログラムと同じ講座を、海外で受講できるようにしているものや、日本で座学を行い、海外で実習を行うプログラムなどがあります。 中には渡航費や滞在費が含まれているプログラムもあり、海外での滞在経験が少ない方でも安心して参加できるようになっているものもあります。   海外の大学へ進学して日本語教師の資格を取りたい場合 残念ながら、海外の大学で日本語教師の資格を取得できるプログラムはありません。 しかし、例えばオーストラリアなどでは、LOTE(= Language Other Than English: 外国語教育)が盛んで、日本語を外国語として学ぶ学習者が40万人以上います(国際交流基金の調査による)。LOTEの教授法を学べる大学があり、現地の教員資格が取得できる学校もあります。   日本語教師に必要な【英語力】 日本語教師になるためには、英語の資格は必要ありません。英語力があるからと言って日本語教師になれるわけでもありません。しかし、就職するときに英語力があると断然有利です。 英語でコミュニケーションが取れると、学習者と会話の幅が広がります。海外で就職するには英語力に加えて日常会話程度の現地語も必要でしょう。 例えばご自身が海外留学を経験していて、英語による会話がスムーズにできるとしても、ご自身の持っている英語の力を証明する必要があります。多数の応募者の中から「書類選考を突破」し選ばれるためには、英語力を裏付けるための【英語の資格】があると有利です。   この記事での【英語力】の定義 この記事でお伝えする英語力の定義は以下の通りです。 *CEFR(文部科学省のHPより)を参考に【英語資格】をレベル別に分けましたので、ご参考になさってください。   レベル 英語の資格 (ご参考) A 高度な英語力を持ち、十分なコミュニケーションが可能(A) ・英検準1級以上 ・国連英検B級以上 ・TOEFL®550点(CBT 213点、iBT 79点)以上 ・TOEIC®730点(S&W 290点)以上  B どんな状況でも、適切な意思疎通ができる(B) ・英検準1級、2級 ・国連英検B級、C級 ・TOEFL®500点(CBT 173点、iBT 61点)以上 ・TOEIC®640点(S&W 260点)以上 C 限られた範囲であれば、コミュニケーションが可能(C) ・英検2級 ・国連英検C級 ・TOEFL®470点(CBT 150点、iBT 52点)以上 ・TOEIC®500点(S&W 220点、Bridge 154点)以上 D 日常会話なら可能(D) ・英検準2級、3級 ・TOEFL®410点(CBT 103点、iBT 34点)以上  ・TOEIC®330点(Bridge 130点)以上    誤解がないようにお伝えいたしますが、資格を保持しているからと言って、コミュニケーションのレベルが十分とは言えない可能性もあります。しかし、就職するにあたり、資格を保持しているとことは英語力を裏打ちするための大切な証明となり得ます。 また、日本語が母語の日本人にとって、外国語である英語を習得した経験が、日本語教師の活動の中で活かされると考える人もいます。   【日本で働く】場合に必要な英語力 教える場所や学習者のレベルにより、必要となる英語力は異なります。 日本国内で日本語教師となる場合には、日本での「生活者としての外国人」を支える立場になります。生徒のアルバイト応募、住居のお世話、行政手続きなどを支援。教える場に程度の差こそあれ、日本での生活をスムーズに送るために必要な、日本語を習得するお手伝いをすることになります。 それでは、状況別に【最低限必要な英語力】をお伝えします。   日本語学校で初級者に教えるのに必要な英語力 求められる英語レベル:限られた範囲であれば、コミュニケーションが可能(C) 学習者は、日本語はおろか英語すら話せない場合もあるでしょう。日本語学校では日本語を使って日本語を教える「直接法」が主流です。英語・中国語・韓国語など、学習者の言語が話せれば有利でしょう。 英語を話すことができれば、学習者の質問に答えたり、生活のサポートをスムーズに行ったりすることができるでしょう。   中~上級者に教えるのに必要な英語力 求められる英語レベル:限られた範囲であれば、コミュニケーションが可能(C) 大学や専門学校などで日本語を教える場合、学習者はすでに日本語能力試験などの試験を突破し、ある程度の日本語力を備えています。指導法も「直接法」ですので、英語が求められる場面は初級者に教えるよりも少ないかもしれません。 大学や専門学校で教えるには、日本語教師としての経験年数や、修士・学士を取得していることが要件になっている場合が多いです。   高度な英語力が求められる場所:【間接法】で教える 求められる英語レベル:高度な英語力を持ち、十分なコミュニケーションが可能(A) 日本国内でも、英語で日本語を教える「間接法」で日本語教育している場合があります。 以下はその一例ですが、英語で日本語を教えることが必要なので、当然、高い英語力が必要といえるでしょう。 ・インターナショナルスクールの生徒 ・米軍基地の軍人やその家族 ・外資系企業にいるエクスパッドやその家族   お手軽に日本語教師を経験【オンライン日本語学校】 求められる英語レベル:どんな状況でも、適切な意思疎通ができる(B) 日本語教師の資格がなくても、国内で日本語教師ができる場合があります。それがオンラインの日本語学校です。教師として採用されるためには英語力が必要です。 オンラインで日本の教師と学習者をつなぎ、学習者は海外にいることも。学習者の日本語レベルはさまざまです。文化や人種などさまざまな背景を持っている学習者が集まります。日本語を教えるだけではない交流が生まれることもあり、日本語のニーズもさまざまです。 どんな学習者にでも対応するためには、高い英語力が必要でしょう。   日本語ボランティアや言語交換 行政や民間機関が外国人の生活を手助けする日本語ボランティアを募集していることがあります。 例えば東京都なら「東京都防災(語学)ボランティア(東京都生活文化局)」で語学ボランティアを募集しています。万が一の災害のときに、東京都に居住する外国人の言語面をサポートするための事業ですが、実は災害がないときには東京都や区市町村が行う事業で通訳・翻訳が必要なときにも、活動協力をお願いする場合があります。とあります。 留学生が日本に来てすぐの時に、ボランティアが日本語の教師として簡単な日本語を教える活動も含まれています。 防災(語学)ボランティアの英語の資格要件は、「英検準1級、国連英検B級以上、TOEIC®730点以上」などです。 また、言語交換で日本語を教えることもできます。言語交換(げんごこうかん、Language exchange)とは、違う言語のネイティブスピーカー同士がそれぞれの言語を他方が学ぶのを助け合うこと(Wikipediaから引用) です。 日本語を教えるという意味で日本語教育の一助となっています。   【海外で働く】のに必要な英語力 海外就職に際しては応募要件に【英語の資格】が含まれていなかったとしても、履歴書と職務経歴書を英語で提出する場合や、英語面接がある場合もあります。採用する学校側のスタッフが、日本語を話せないこともあるからです。 日本語を母語として話す日本語教師が、海外で活躍するのに必要な英語力を、就職する場所別・状況別にご紹介いたします。 国際交流基金の調査では、世界142の国・地域で日本語学習者がおり、約385万人の日本語学習者がいるとの報告がなされています。学習者の人数1位は中国で約100万人、2位はインドネシアで約71万人、3位は韓国で約53万人。日本語の学習熱は高く、日本語教師が海外で求められている状況は変わりません。   アジアで就職する場合に必要な英語力 求められる英語レベル:限られた範囲であれば、コミュニケーションが可能(C) アジアで日本語教師をする場合は「直接法」が主流です。言語能力は英語力よりもむしろ現地語が必要とされています。現地語が話せない場合には、英語が活躍します。 ご自身が生活者として現地で生活するために、現地語または英語が必要です。   欧米や豪・NZなどの英語圏で教える場合に必要な英語 求められる英語レベル:高度な英語力を持ち、十分なコミュニケーションが可能(A) 欧米やオーストラリア、ニュージーランドで日本語教師をする場合には「間接法」で教えることが求められます。間接法で日本語教育をするには高度な英語運用能力が求められます。 ネットには、海外から教師募集の求人がたくさんあります。応募資格に英語力の記載がない求人がありますが、「英語力はあって当たり前」なので、英語力に不安のあるかたは応募前に確認しましょう。   民間の海外派遣プログラムに参加 求められる英語レベル:限られた範囲であれば、コミュニケーションが可能(C) 日本語学校や養成講座を運営する機関が、提携する海外の学校に教師を派遣するプログラムです。中には日本語教師の資格や経験が不要のプログラムも。派遣期間も期間も数週間から長期にわたるものまでさまざまあります。参加費用が必要なことも。ご自身の条件に合わせてプログラムに参加してみましょう。   公的機関が実施するプログラムに参加 求められる英語レベル:どんな状況でも、適切な意思疎通ができる(B) 国際交流基金による「海外派遣プログラム」と、JICAによる「海外協力隊」が有名です。公的機関のプログラムで派遣される先は海外の大学や省庁、公的機関が多いです。 日本語教師の資格だけでなく、学歴・教師経験・語学力(派遣先の現地語および英語)が求められます。 公的機関で派遣される場合には、渡航費、居住費、生活費を得ることができ、帰国後の進路まで支えてくれるという手厚い制度があることも。派遣国の言語習得も後押ししてもらえることもあります。 合格できたら、国際交流の名の下で、日本の言語や文化を海外に広めるために活躍することが期待されるでしょう。   まとめ 日本語教師とは、日本語を母語としない学習者のために日本語を教える仕事です。日本語を学ぶ人の背景もさまざまで、多様な目的・目標を持って学習しています。 日本語教師の資格に加え英語力もあれば、資格の持つ専門性と英語の両方を武器にしてコミュニケーションが活発となり、活躍の幅も広がります。 2024年度以降には「公認日本語教師(文化庁・文化審議会国語分科会)」が設置され、日本語教師資格が国家資格となる予定です。国からも学習者からも、専門家として期待が高まる日本語教師の道を、ぜひ歩み始めてみませんか。

日付2022/08/02/

独学

日本語教師の資格は独学でも取れる?習得する方法をご紹介!

日本語教師の資格は独学でも取れる?習得する方法をご紹介!   日本語教師の資格取得を目指す方の中には、さまざまな理由から独学で日本語教師の資格の勉強をしたいと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。 しかし実際に独学で日本語教師の資格は取れるのか、何を勉強したらいいのか漠然とした不安を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は日本語教師の資格を独学で習得する方法をご紹介します。日本語教師の資格取得に向けて何から始めたらいいのかわからない、独学で勉強したいという方はぜひ参考になさってください。   独学で日本語教師になるためには何をどう勉強するべきか   日本語教師は一体どのようにしたらなれるのでしょうか。2021年の時点では日本語教師の国家資格は存在せず、資格を持っていなくても日本語を教えることはできます。しかし日本語学校、日本語教育機関で日本語教師として働くためには、一般的に以下の3つの条件のいずれかに当てはまることが採用条件とされているのが今の現状です。 -------------------------------------------------------------------- 1.大学で日本語教育の主専攻または副専攻を修了する 2.420時間の日本語教師養成講座を修了する 3.日本語教育能力検定試験に合格する -------------------------------------------------------------------- これらの条件の中から日本語教育能力検定試験に合格し資格を取ることが、日本語教師を独学で目指す方法となります。大学や特別な講座を修了していなくても日本語教師を目指したい方は、日本語教育能力検定試験の資格取得のための勉強を行いましょう。   日本語教育能力検定試験に独学で合格するためには 日本語教師を独学で目指す場合、日本語教育能力検定試験の資格取得が必要ということが分かりました。では独学で試験に合格するにはどのくらいの勉強時間と知識、対策が必要なのでしょうか。 日本語教育能力検定試験は年1回、毎年10月に全国7都市で開催されています。 JEES公益財団法人「日本国際教育支援協会」の調査(引用:JEES公益財団法人日本国際教育支援協会)によると令和2年度の応募者は11,316人、そのうち合格者は2,613人で合格率は23%でした。昭和62年から現在までの合格率は17%から26%の間で推移しており、日本語教育能力検定試験の合格率は低く、難易度が高い試験といえます。 日本語教師の資格を独学で取得するのに必要な時間は早い方で3ヶ月、しっかりと取り組む場合の学習期間の目安は約6ヶ月〜1年程です。日本語教育能力検定試験は試験Ⅰ、試験Ⅱ、試験Ⅲの3つの試験から構成されており、幅広い試験範囲に対して対策をする必要があります。 独学で日本語教師の資格習得を目指す方には転職やキャリアアップを目指す社会人、またこれから働きたいと考えている主婦の方は多いのではないでしょうか。 仕事や家事育児で忙しい時間の合間をぬって試験の勉強をするのは簡単なことではありません。 実際に日本語教師の試験に独学で合格された方々の声をまとめた記事によると日本語教育の市販のテキストで知識を得て、過去問題集を使い過去の試験の傾向を知り対策しています。 実際にフルタイムの社会人として働きながら、たった4ヶ月で日本語教育能力検定試験に合格した方が独学での勉強法を紹介した記事も参考になるのでぜひチェックしてみて下さい。   独学で日本語教師の資格を取得するメリット・デメリット いざ日本語教師の試験合格を目指そうと思った時、独学で勉強するメリット、デメリットはそれぞれどのようなものか見てみましょう。   独学で資格の勉強をするメリット① 費用を抑えられる 独学で日本語教師の資格の勉強をする最大のメリットは、お金をかけずに資格を取れるという点でしょう。日本語教師になるための日本語教師養成講座を受講する場合、約40〜50万円の費用が必要です。しかし独学で勉強する場合、テキストや過去問題集などの教材を購入する費用と受験料で数万円しかかかりません。 金銭的に余裕がない方でも自分の努力次第で日本語教師を目指せるのが独学のメリットです。   独学で資格の勉強をするメリット② 時間や場所の自由度が高く自分のペースで手軽に始められる 独学で資格取得を目指す場合、いつでもどこでも勉強することができます。移動時間や寝る前の数時間など隙間時間に自分のペースで進められるので、仕事が忙しい社会人や家事育児に追われている主婦の方にはぴったりの勉強法といえます。 また通学の必要がないので海外在住の方や出張が多い方、近くに受講できる学校がない方でも問題なく学べるのが独学のメリットです。   独学で資格の勉強をするデメリット① モチベーションの維持など自己管理が必要 独学で勉強をするのは自由度が高い半面、モチベーションの維持が大切になります。 またカリキュラムがないため、10月の試験に向けて具体的にいつ頃、どの範囲を勉強していくかスケジュールを立てて計画的に勉強する必要があります。どのように計画を立てたら良いのかは、一日に取れる勉強時間や勉強のペースに個人差はありますが、「日本語教育能力検定試験」独学10ヶ月での合格体験記では実際に独学で合格した方の10ヶ月のスケジュールが紹介されているので参考にしてみると良いでしょう。   独学で資格の勉強をするデメリット② 教壇実習などの実践勉強ができない 大学や日本語教師養成講座を受講する場合、日本語学習者に対して実際に指導をする教壇実習を受けることができます。 独学ではそのような実践的な勉強をする機会がないため実践力が身につきづらいのが難点です。それを補う対策として、教壇実習のみの講座を受ける、またはボランティアを通じて実践的な勉強と経験を積むのがよいでしょう。 独学で試験合格に望む際はメリットは存分に生かし、デメリットは把握した上で一つ一つクリアしていくことが大切です。いずれにしてもコツコツと試験合格に向けて地道な努力が必要になります。   独学で日本語教師を目指すためのおすすめの勉強方法 いざ独学で日本語教育能力検定試験の合格を目指そうと思っても、何から始めたらいいのか戸惑う方も多いかもしれません。 限られた時間の中で独学で試験合格を目指すには、効率的な正しい勉強法が必要です。そこで具体的にどう勉強すればいいのか、おすすめの独学勉強方法をご紹介します。ぜひ参考になさってください。   ・学習計画を立てる まず独学で勉強を始めるにあたり大切なことは、勉強の計画を立てることです。講座を受講するのとは違い、独学の場合カリキュラムなどは用意されていません。何をいつまでに勉強するかを自分で考え学習計画を立てることが必要です。 日本語教育能力検定試験合格に必要な勉強時間は約400〜500時間と言われています。試験日までの時間を逆算し、勉強内容の計画を立てることが肝心です。ここで大切なのはせっかく考えた学習計画が計画倒れにならないよう、無理のないペースで計画を立てるようにしましょう。   ・勉強時間の確保をする 独学で勉強をする上で、モチベーションの維持は大切かつ難しい問題でしょう。「時間があれば勉強の時間に充てる」という意識では勉強時間が不十分になりがちです。そうならないためには勉強を生活の一部に組み込んでスケジュール化することが大切です。 寝る前のインプットは脳の記憶に定着しやすいと言われています。反対に、朝起きてからの時間は脳の働きがよく、アウトプットに向いています。夜寝る前にテキストを読み、朝起きたら過去問など問題集で勉強する時間を一日のスケジュールに組み込んでしまいましょう。   ・テキストと過去問題集を上手く活用する 日本語教師の勉強を独学でするにはテキスト選びは大変重要です。「日本語教育教科書 日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド」は日本語教育能力検定試験におすすめのテキストなので用意するとよいでしょう。 そして実際に独学で日本語教師の試験に合格された方のほとんどが過去問題集を使った勉強を重点的にされています。過去問題集を使って勉強すると過去の試験の傾向が把握でき、自分が解ける問題と解けない問題がはっきりと分かります。テキストを全て丸暗記する勉強法よりも効率的に試験対策の勉強ができるおすすめの勉強法です。   日本語教師の資格は独学でも取れる?習得する方法をご紹介!まとめ 日本語教師の資格は大学や講座の講義を受けなくても独学で取れることがわかりました。日本語教師になるには年齢は関係なく、誰でも目指すことができます。しかし日本語教育能力検定試験の合格率は低く、簡単にとれるものではありません。 日本語教師になるという意志を強く持ち、自分に合った勉強法で資格取得に向けて頑張ってみてください。

日付2022/08/02/

独学

日本語教師の資格試験|独学で合格できる?

モチベーションを一定に保てれば大丈夫 日本語教師の資格とは   基本的に日本語教師になるための資格は特に必要なわけではありません。自宅で日本語の個人レッスンによって、日本語を教えている人もいらっしゃるでしょう。しかし国内外で日本語学校に就職をしようとした場合には、日本語スキルがどの程度なのかを証明することが必要です。   以下のような試験や講座で、スキルを証明でき仕事を獲得しやすくなります。   日本語教育能力検定試験 全養協日本語教師検定 日本語教員養成講座 大学や大学院での日本語教師課程主副専攻   検定試験は日本語教育能力検定試験と全養協日本語教師検定の2種類がありますが、全養協の試験は『日本語教師の実践力』を測る試験です。そのためまず日本語教師になるためには 日本語教育能力検定試験の合格を目指すということになります。 日本語教育能力検定試験の概要 日本語教育能力検定試験は、公益財団法人『日本国際教育支援協会』が運営しています。日本語の文法や話し方だけではなく、社会や文化まで幅広い出題がされるので計画的な準備が必要です。 受験資格 日本語教育能力検定試験は受験資格は特になく、どなたでも受験できます。『にほんごの凡人社』が発行している各年度の『日本語教育能力検定試験 受験案内』に添付している出願書類を利用してください。受験できる条件はこの受験案内を購入することのみです。 出願(試験の申し込み) 出願期間は、2021年の場合は7月5日(月)~8月2日(月)でした。基本的にこの時期の月曜〜月曜の4週間です。 出願に必要なもの 願書:『日本語教育能力検定試験 受験案内』に添付された書類 受験料:14,500円(税込、2021年の場合)添付された振替振込用紙を利用して支払い 出願:公益財団法人 日本国際教育支援協会に提出   試験日は年に1度1日のみです。2021年は10月24日日曜日でした。 試験会場 試験会場は北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、九州にそれぞれ1〜3カ所です。ご自宅から遠い可能性もあるので調べておきましょう。 試験形式 試験Ⅰ :90分 100点 日本語教育の基礎的な知識 試験Ⅱ: 30分 40点 音声を媒体とした出題形式 試験Ⅲ: 120分 100点 現場対応能力を測定 以上の3種類の試験は、間に休憩を挟んで1日で終了します。試験Ⅰと試験Ⅱは、全問マークシート方式、試験Ⅲは、マークシート方式と一部記述式で実施されます。   独学で勉強するメリット・デメリット 独学で勉強するメリット・デメリットを見ていきます。性格にもよるのでご自分に合うかどうかを判断する目安にしてください。   日本語教師の資格を独学で取得するメリット   自分のペースで勉強ができる 受講料を倹約できる 通学の時間やお金を倹約できる   受講料は一般的に40~50万円くらいです。参考書などテキストは、2,000円前後ですから自分でテキストを購入して勉強した方が節約になるでしょう。 また時間配分も自分のペースでできるので、仕事やその他のことを犠牲にする必要がありません。生活のリズムを変えることなく、勉強ができることが大きなメリットでしょう。   日本語教師の資格を独学で取得するデメリット   自分ですべて用意する必要がある わからないことを質問できない 実践力がつかない モチベーションが続かない   何を勉強しなくてはならないか、試験の傾向、テキストの選択などを全部自分で解決していかなくてはいけません。また試験に新たな条件が出てくることもあり、そのような情報を自分で見つけ出す必要があります。 勉強をしていて分からない時に、テキストを上から下までじっくり探して、それでも理解できないこともあるでしょう。受講していればすぐに質問して解決できることもあるので時間が無駄になってしまう可能性があります。無駄に時間を費やすと敗北感を感じてしまう人も。 そういった気持ちはモチベーションにも影響してしまいます。独学での受験を成功させるためにはモチベーションを保ち続けることが大切です。途中で諦めないように、ネットなどを上手に利用して問題を解決します。そのときわからなくても、毎日勉強しているとわかるようになってくることもあるので、あまり一つのことにこだわらないことも大切です。 また学校に通って講座を受講していると実際に教える体験ができる模擬授業などで実践力をつけることもできます。日本語教師の資格を勝ち取ることだけが目的ではありません。独学で大丈夫かな?と迷いがある方は、具体的に仕事をすることも考えて決めてください。   独学で日本語教師の資格を取るためのポイント 資格試験に合格するためには、用意をして計画を練る必要があります。次のようなプロセスでスケジュールを作成してください。 試験までの期間を確認する 試験の概要・全体像を最初に把握する 試験日までの期間に合わせて勉強しなくてはいけないことを配分する 基礎・基本を理解する 過去問を解く 傾向を知る 試験までの期間を確認する   まず、試験の用意にどのくらいの期間が必要なのかを考えましょう。 ネットで検索すると独学で合格した人たちの体験記があります。3ヵ月、4ヵ月、7ヵ月、10ヵ月などさまざまな準備期間でした人たちがいますが、ベースになる知識が人それぞれ異なるので、一概に独学によって3ヵ月で合格できるともできないとも言えません。 個人差はありますが、今まで日本語教育に関わったことのない人は、10ヵ月程度は必要でしょう。自分は何ヶ月の準備期間が必要なのかを正しく判断することが大切です。 日本語教師の資格を取ろうと決心した場合は、試験日までの月数を計算してスケジュールを立てて頑張っていきましょう。   試験の概要・全体像を最初に把握する   どのような試験が行われるのか、公式サイトや過去問題集で確認しましょう。出題範囲は公式サイトでpdfが用意されており細かい項目まで確認可能です。どのようなカテゴリーがあるのかを整理しておいて、過去問を解く際にどの項目の問題なのかをチェックすると傾向が見えてきます。   試験日までの期間に合わせて勉強しなくてはいけないことを配分する   試験日まで何ヵ月あるのかをまず確認し、3〜5区間に分けてそれぞれの区間で目標ややるべきことを設定します。試験間際の最後の1ヵ月は、全体の見直しと弱点克服にしておきます。 区間ごとに目標を立てると、モチベーションを保つためにも役立ちます。 基礎・基本を理解する 『日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド』や『日本語教育能力検定試験に合格するための基礎知識』『日本語教育能力検定試験に合格するための本』といった参考書をじっくり読んで基礎を知ることから始めます。合格した人が利用した参考書を参考にしてください。 最初はこれもこれもたくさん参考書を買ってしまいがちですが、多くて2冊を選んでじっくり読み込んでください。知らない言葉は用語集やネットで調べるようにして、読み進んでいきます。この段階では分からないことがあっても問題ありません。分からない点は付箋をつけるなどしおきましょう。 過去問を解く 基礎を参考書で一通り見た後に過去問や練習問題に挑戦しましょう。最初は全部間違ってしまっても気にしなくて大丈夫です。ほとんどの問題はマークシート式で選択肢ですが、意外と難しいことがわかるでしょう。 ただ答え合わせをするだけではなく、なぜそうなるのか考えたり例文を作成したりして問題を分析することが大切です。間違いがちな点はもう一度参考書に戻って、基礎をしっかり勉強し直します。 試験日が迫ってきたら、本当の試験のように時間を測りながら過去問を解いてみましょう。時間配分を考えることも、試験では大切なポイントです。 傾向を知る 時代と共に日本語教師検定試験の出題傾向は変わっています。日本語を学びたいと思っている人の傾向が変わっていることが一つの理由です。現在、地方の自治体にも外国人が多く住むようになりました。生活をする外国人が学ぶ日本語は、大学に入って勉強したい人や日本に興味があるという一時的な滞在者とは異なります。 また日本語教師資格による仕事は日本語教師だけではなく日本語コーディネーターなど生活する外国人を理解し支援する仕事も含まれるようになりました。 一般財団法人 自治体国際化協会が発行している『現場レポート』などにも目を通して試験の傾向を知ると共に、日本語教師という職業のあり方を考えていくことも大切です。 また2022年(令和4年度)より、日本語審議会が取りまとめたレポートをベースに出題範囲が変わるのでチェックをしておきましょう。   合格率はどのくらい?   日本語教育能力検定試験を受けるにあたって気になるのは難易度です。合格率はどのくらいなのでしょうか?   主催しているの公式サイトでは受験者数と合格者数を1987年(昭和62年度)の第一回からグラフにしています。『日本語教育能力検定試験 応募者・全科目受験者・合格者数 推移』で見られます。   このグラフによると試験を実施し始めた頃はは合格率が20%を切っていましたが、ここ数年は28〜29%前後です。(申込者ではなく、実際に受験した人の数で計算しています)4人に1人以上が合格できるので、きちんと準備をすれば大丈夫といえるでしょう。試験の準備クラスを受講すると合格率が50%を超えると発表している学校もあります。 これは学校の授業が独学より優れているということではなく、学校に行くことで勉強するペースが保たれるためでしょう。自分でスケジュールをきちんと組んでモチベーションを維持しながら勉強できる人なら、学校に行っている場合と同様に可能性があります。 要はペースを乱さず、毎日少しずつ勉強をしていくことが大切です。  

日付2022/07/28/

疑問

コロナ禍で日本語教師の仕事はどのような変化があったのか??またこの先どうなるのか??

コロナ禍で日本語教師の仕事はどのような変化があったのか??またこの先どうなるのか?? 良くなった?悪くなった?日本語教育業界の現状と今後の展望 コロナ禍真っ只中のいま、日本語業界だけではなく様々な業界で仕事が減り、悲鳴が上がっていますね。緊急事態宣言はひとまず明けましたが、まだまだコロナに関しては油断ならない状況だと思います。 コロナ禍の中で日本語教育業界は今どうなっているのか、仕事はどのように変わっていくのか、留学生は入ってくるのか、今後どうなっていくのかをまとめました。コロナ禍という大変な時期だからこそやっておきべきことも後半に書いているのでご参照ください。   日本語教育界の今の状況、仕事量について コロナの感染拡大により様々な職種・仕事に影響が出ております。コロナショックの影響は日本語教師も避けることはできません。入国制限により留学生が簡単に渡日できない状況が今もなお続いております。留学生が入国できないと日本語教師の仕事フィールドは格段に狭まってくるので、現在ある求人にはたくさんの日本語教師の方が応募されています。 ではアフターコロナの日本語業界はどうなるのでしょうか。 いまだほとんどの国に「上陸拒否対象国」という規制がまだ敷かれているので、コロナが開けない限り自由に人々が世界を行き来できるのはまだ先になりそうです。 上陸拒否対象国(2021年9月現在)の情報では「中国・ベトナム」などは他の国よりも少し規制が緩められています。 ということは、コロナ感染者の多さによりますが来年からはもっと入国規制が緩和され、留学生の数も増えてくると予想されます。日本国内の留学生を国別でみると、①中国②ベトナム③ネパール④韓国⑤台湾が多いですね。 現在ネパール以外は上陸拒否対象国を免れていますので、日本語業界の盛り返しは黎明期に入っているのではないでしょうか! とは言いつつも新規の留学生獲得ができずに、閉校する日本語学校もでてきております。 今はちょうど入試の時期ですが例年より遥かに出願者が少ないという話をいろんな学校から話を耳にしています。 見込みがなさすぎる学校は、校長先生より「来年から稼働がなくなると思って転職活動をしておいて…」と言われた教師もいらっしゃいます。来年の春に留学生が少ないとなると学校自体がなくなるケースは今以上に増える見込みです。=仕事場が減って行くことになります。 その打撃を1番受けるのはもちろん、日本語教師ですね。 日本語教師が主に働く先である日本語学校が少なくなってくると、人材の供給過多になってしまうので求人も少なくなります。 求人を検索すると国内の求人も見受けられますが、以前よりもハードルがあがっていたり経験者のみを採用する学校が多いのが日本語教師の現状です。 国外の求人もありますが、今の時期に日本を出て日本語教師をするのはリスキーだと思います。 ただし、向かい風ばかりが吹いているわけではありません。 比較的に感染の危険性が落ち着いてきた現在では、行動制限も解除ないし緩和され、少しずつ外国人学生の入国も再開してきました。 国内でも、経済活動を元に戻していこうという考えが主流になりつつあります。例えば「Guidable Jobs | The Place for Job Seeker in Japan」などは、日本で職を探す外国人向けの求人サイトで、多くの求人が紹介されていることがわかります。 新型コロナウイルスの脅威がすぐにはなくならないとしても、同時に日本語教師の需要、日本語を学びたいと思う人の存在もまた、簡単になくなるものではありません。また、コロナ禍であっても、日本語教師という職は形を変えて受容され続けています。詳しくは次項で説明します。   オンライン講座はコロナ禍の希望になるか? 国内でも国外でも日本語教師をやりたくてもやれない、採用されない、仕事がない、ではどうすればいいのか? このように悩む方は非常に多くいらっしゃると思います。 私はIT技術にとても興味があり、今後ももっと発展していくと思うので是非「オンライン」にて日本語講座を開くことをお勧めします。   「いや~なかなかパソコンスキルには疎くて…」 「ZOOMも難しくて対応できない…」 「エクセルやワードならまだ…」   とおっしゃる方は(特にご年配の方で)結構私の周りでもいますが、そんなことも言っていられないのが現状ではないでしょうか。オンラインで日本語教師ができれば、日本に住みながら中国や韓国などにいる学習者へ日本語を教えることができます。 つまりどこに居ても仕事ができるということですね。   すごくいい時代になったと思いませんか?   無料のアプリやGoogleを使用すれば効率的に日本語教育を進めることができます。 回し者ではないですが、私はGoogleを利用し学生500人以上の履歴書データを管理する仕事をしています。Googleを使っているのは学生とメールのやり取りをする必要がなく、自動更新で履歴書の添削や書き込みができるからです。 学生とオンラインで話をしながら同じ履歴書データを開いて書き込めば、別々で開いているシートでも時間のずれなくどこを編集しているかわかります。 また、授業担当の先生にも履歴書データを共有し権限を与えることで、先生から添削してもらうことも可能です。私が全員を見れるわけではないので、そのように運営しています。 もちろんこれを使いこなしてください!というわけではないですが、便利なものがたくさんあるのでコロナ関係なく日本語教育にも応用できることはしていったほうがいいと思います。 さらに言えば、日本語教育の仕事が長ければ長い人ほどオンライン講座にどんどん進出するべきだと私は考えています。歴が長い人ほどご年配の方が多いのは承知していますが、私がよく連絡を取る「御年80歳」の先生もGoogle機能を少しずつ使いこなしています。 確認のための簡単なテスト問題はGoogleのアンケート機能を勧めて使っていただいています。 「日本にどうしても来ることができないけど、しっかり日本語は学びたい」このようなが学習者には、みなさんのようなベテラン教育者が必要です。 新人日本語教師ももちろん、しっかりIT技術は備えておいたほうがいいです。 いろいろな日本語教師求人サイトを見ている限り、「ZOOMが難なくできる人」「エクセル・ワード・パワポを使える人」「オンラインでも対面でも授業ができる人」「パワポを使って授業ができる人」などの仕事に関する条件が多くみられます。 「パソコン苦手…」 という方は門前払いされる確率は高いので、苦手な人は最低限のスキルを身に着けておいたほうがいいです。 Googleだけではなく様々なIT技術があふれる現代で、「アナログ人間だから…」「パソコン作業は苦手だから…」と言っていては日本語教育業界の波に乗れなくなってきます。仕事があってもpそこんができないのであればほとんどの職で落とされます。 ですので是非みなさんもオンライン講座にどんどん挑戦したり、IT技術を少しでも磨いていってください! そのほか「日本語教師はオンラインが必要になる?」や「オンライン授業にチャレンジしよう」なども参考にしてください!   コロナ明け~日本語教師の今後の展望~行く末 コロナ禍の今だからこそやれることはやっておきましょう。 コロナ明けの黎明期に入っていると私は思うので、日本語教師の需要もまた戻ってきます。そのときに備えて既に日本語教師の資格を持っている人は授業準備や新しいワークなどを考えておきましょう。 進路指導や就職指導ができるように、日本の社会をよくみて考えておくことも必要ですね。またはそこに沿った資格をプラスしてステップアップするのもいいと思います。更には日本語教育者が集まるイベントやセミナーに参加するのもいいのではないでしょうか。もちろん今はオンラインだけですが。 また、先ほども話しましたがオンライン授業対策も継続しておいたほうがいいです。自分の働く先がいつまたオンライン授業になってもいいように、そして自分の仕事の幅や力を広げるためにもお勧めします。 もうパソコンスキル0では求人に応募しても通らないと考えておいたほうがいいでしょう。 (ここまで言い切っていますが、私はアナログも嫌いではありません。しっかり使い分けることが重要だと思います。) まだ日本語教師の資格を持っていない人は、早めに講座に申し込んだり日本語教育能力試験に合格しておきましょう。もちろん先にイベントやセミナーに参加するのもおすすめです。 もし日本語教育について情報を得たいと思っている人は、ネット上のサイトだけでなくLineのグループチャットがおすすめです。無料で参加できます。 Lineのグループチャットにて「日本語教師」を検索するといろいろなグループが出てきます。日本語教育業界をメインにしたグループや、現役の日本語教師が教案の相談をする目的のグループなど多種多様です。私は日本語教育業界の動向を知る1つの手段としてこのLineグループを活用しています。交流会イベントやセミナー情報なども流れてくるので、個人的には非常におすすめです。※匿名で参加ができます。 コロナが収まるにつれて今後の日本はより一層外国人の方の手を借りる必要があり、そこを支えるのは日本語教師の重要な役目です。 また、日本語業界は今まで以上に伸びを見せるだけでなく、国家資格化も見据えられています。 ですので、日本語教師ひとりひとりが今まで以上に教育能力やIT力、そのほか様々な力を備えておくことが大切だと考えています。 また、新型コロナウイルスの感染状況とその対応、日本語教育業界の状況などは、刻一刻と変わり続けています。ウイルスそのものや感染状況だけでなく、我々の社会がそれにどのように対応していくかもコロナ禍の当初とはずいぶん変わりました。かつてなら行動制限が行われていただろう感染者数でも、今では普段どおりの生活を続けています。ですから、常に最新の情報を手に入れることが必要です。新型コロナウイルス感染症対策と日本語教育に関連した情報については、「日本語教育振興協会」で最新のものを確認できます。ぜひご活用ください。 ここまで読んでくださり、ありがとうございます。 日本語教育業界、みなさんと共に盛り上げていくことができれば嬉しいです。

日付2022/07/28/

やりがい

日本語教師の魅力とは?

新型コロナの影響で、日本への入国者は減少しました。 しかしここ10年ばかり、日本国内の外国人と日本語学習者の数は増加の一途を辿っていました。アフター・コロナと呼ばれるように、コロナ禍が終息した後には経済の回復と発展が見込まれます。 ここではそうした事情も踏まえ、メリット・デメリットに分けて、日本語教師の魅力について考えていきます。 1.日本語教師のメリット 日本語が母語というアドバンテージを生かせる よく言われるように、日本語は難しい言語です。 英語のネイティヴなら、少し勉強すればフランス語やドイツ語もできるということも珍しくありません。が、これが中国語や韓国語、ましてや日本語となると、独学では困難を覚えるケースが非常に多いです。アルファベットとは全く異なる文字はもちろん、文法も思考様式もまるで異なるからです。 そのため、日本語を長く学んでいて日常会話はできるという方でも、『若者言葉が入ってくると聴き取れない』とか、『難しい漢字が出てくる文章は読めない』といった感想を耳にします。 いま、この記事を読めているあなたは、カタカナも漢字も、日常では使われないような難しい語彙もマスターしているはずです。日本人なんだからそんなのは当たり前じゃないか、と思われるかもしれません。 しかし、思い出してみて下さい。それは義務教育の9年間、ひらがなから始まる国語の時間に漢字や難しい表現を身に付けてきた成果です。日本人でさえそれだけの時間を費やしたのだから、第二言語として学ぶ外国人にとっていかに難題であるか、推して知るべしでしょう。 まったく日本語が話せなかった生徒たちが、日本語でコミュニケーションをとれるようになっていく姿を見ることはやりがいを感じさせ、多くの教師がこの仕事にハマってしまうと語ります。日本語教師の仕事内容とは?なり方から求人の傾向までを紹介! | にほんご日和でも詳しく紹介されているとおり、日本語を教える仕事が〈子育て〉に喩えられることもあるのはそのためでしょう。 したがって、聞く・読む・話す・書くの4技能について、日本語を使いこなせることはすでにアドバンテージ(強み)であると言えます。日本語教師は、あなたがすでに持っている能力を生かすことができます。 また、生徒に対して、成長を見守る、ということ以外にも生徒との交流そのものをやりがいに感じている方もいます。 例えば日本語教師ってどんな仕事?第8回 日本語教師の魅力って?~その1~でも、一方通行の教授ではないことに加え、生徒と先生の間での双方向の交流、人との繋がりをキーワードに日本語教師のやりがいが紹介されています。日本語教師のやりがい・楽しさ・魅力でも、「生徒から学べることがたくさんある」とポジティブに紹介されており、多くの先生が生徒とのやりとりのなかにやりがいを見出していることがわかります。   需要が増えている  新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、海外からの入国者が少なくなっているのは先に記したとおりです。 ですが日本はそれまて、外国人労働者を増やす政策を進めていました。これからも労働力の多くを、外国人労働者に頼ることになるでしょう。 (もちろん、これには反対意見もあります。しかし日本は、少子高齢化で労働人口が減少しているため、国内だけで人手不足を埋めるのは困難です。学生や働き盛りの出産をタブー視する風潮や、各家庭が負担する養育費の高さを考えても、日本で今後出生率が改善される見込みは絶望的と言ってよいでしょう。若い働き手がいない以上、これからも外国人労働者は増えていくことが予想されます。) 実際、2017年の時点で、日本語学習者23万9597人に対し、日本語教師は3万9588人でした(文化庁調べ)。教師数にはあまり変化がありませんが、学習者の伸びが著しく、日本語教育は売り手市場なのです。 考え方の異なる人々を相手に働ける 日本人の多くに共通する気質(国民性)とはどんなものでしょうか? 勤勉で、礼儀正しく、周りの視線を気にして、空気を読む…。昔から言われる特徴ですが、これは現在でも変わっていません。それどころかSNSの普及によって、〝他人のことを気にする文化〟はより強まったと言えるかもしれません。外面的な世間体を重視する日本文化は「恥の文化」と呼ばれることもあります。 しかし、時にはその均質性や同調圧力が息苦しく感じられることがあるのも事実。日本人しかいない職場で働いていて、『仕事自体は好きだったけど、人間関係が気になってしまい仕事をやめた』という例は後を絶ちません。そんな時、『外国人の多い職場なら環境が異なるかもしれない』と思うのは当然な成り行きです。 が、その多くは『でも自分は英語も中国語もできないし…』とぼやいて、結局似たような職場に戻っていくことになります。 日本語教師は、そのような方にこそお勧めできる職業です。なぜなら日本語教師は、日本語しかできなくても、外国人を顧客として働くことができる仕事だからです。 「日本語教師の楽しいことと大変なこと」では外国に憧れがある方で、英語が得意ではない方の経験を読むことができますが、とても参考になります。外国人の多くは日本人に比べるとおおらかで、チャレンジ精神に富んでいることが多いです。あえて難しい日本語に挑戦しようというだけあって、高い目標(日本の大学院への進学や、仕事でのキャリアアップなど)を持っていることも多いです。だから学習意欲も高く、しばらく会わないでいるうちにレベルが上がっていることに驚かされることも多いとか。 「日本語教師のやりがいを聞いてみよう」でも語られていますが、さまざまな国籍を持つ生徒が、同じ日本語を通して会話するのを見るのは、喜びの一つだと言えます。   時給が高い 日本語教師の時給は、1500円~2000円程度が相場だと言われています。 これだけ見ると、かなり良いように見えます。日本人がみんな豊かで「一億総中流」などと言われていたのはもう四十年以上前の話です。現在の日本には、時給800~900円代の最低賃金で生活されている方々も大勢います。貧富の格差が拡大した現在、他業種と比較してこの価格帯は〝だいぶマシ〟と言えるでしょう。 それとも同じ語学教師なら、日本語教師よりも英語教師の方が収入が高いのでしょうか? 気になりますよね。 一例として、大手の英会話塾では英語ネイティブの人材を採用していますが、時給は1200~2200円程度だそうです。この相場は日本語教師と大差ありません。時給だけを考えれば、日本語教師は高めだと言えます。 海外で働ける  台湾、タイ、ベトナム、インドネシアなど、日本語の需要が高い国々では、日本語教師の求人が多いです。 一見給与が安く見えることもありますが、物価と比べてみると実は結構な額で、日本よりも暮らしやすいことも少なくありません。    日本語教師として働く中で現地の言葉を身に付ければ、別な業種へ転職する可能性も開けてきます。海外で働いてみたい方は、まずは日本語教師から始めるという選択肢もあるでしょう。 国内にはアジア諸国で働くための支援を行っている機関もあるので、興味がある方は調べてみるとよいでしょう。  また、「日本語パートナーズ」という制度もあります。詳しくは後述しますが、こちら「就職前に海外経験を積む! 大学卒業前後に参加した3人の座談会 | インタビュー | 日本語パートナーズ」の体験談も確認してみてください。また、海外を拠点とする日系企業におけるレッスン講師や、海外でのボランティアとして働く道もあります。日本語教師とは? 全国日本語教師養成協議会でも詳しく説明されています。    JICAの青年海外協力隊で働いていた方のインタビュー「日本語教育の楽しさを多くの人に伝えたい」もとても参考になります。海外においても、日本語教育という絆でつながって再会する、と言ったこともあるようです。こうした人と人との繋がりも前述の通り日本語教師の魅力であり、国内に留まらない人間関係を築くことができるのは日本語教師の大きな特徴の一つでしょう。     オンライン対応で世界中に仕事がある これからの日本語学習で、注目されるのがオンラインレッスンです。 一対一のプライベートレッスンを受け持ちたいのに希望者がいない、というのは、インターネットが普及していなかった昔の話。今では地方や海外から、一対一でのレッスンを希望する方をたくさん目にするようになりました。 緊急事態宣言の下で、接客業やスポーツジムなど、対面が不可欠な多くの職種が苦境に立たされました。リモート対応をしようにも、それが不可能な業種ではどうしようもありません。 それに対し日本語教師は、オンライン対応ができる職種です。 リモートワークの普及により、各国でインターネットを介した学習環境が急速に整ってきています。コロナ禍が終息しても、遠方から日本語ネイティブに指導を受けたい外国人がいなくなることはないでしょう。   2.日本語教師のデメリット このように日本語教師にはメリットもありますが、『日本語教師はやめておけ』という意見も、ときどき目にします。なぜでしょうか? 次はデメリットについて検証してみることにしましょう。 年収は低め? 日本語教師は、他業種に比べて収入が低いと言われます。(さっき見たように)時給自体は悪くないのに、なぜこのようなことが起こるのでしょう? 原因は、非常勤で仕事を始めた場合のコマ数が少ないからです。時給が高くても受け持つ授業が少ないと、月収や年収が低めになるわけです。 (英会話スクールに勤めるネイティヴ講師の場合だと、レッスンは少人数制で、次から次へと受講者がやってきます。教材も英会話スクール側が用意し、講師はマニュアルに従って授業前に準備すれば、充分にレッスンを行うことが――また受講者も満足して帰っていくことが――できます。日本語学習では、そのような回転率の良いシステムが整っていないように感じます。) しかしその分、自由な時間も増えるので、『空き時間に他のことをしたい。自分の夢を追いたい』、といった方には、向いている職業と言えます。 収入が気になる場合は、日本語学校などで専任講師(会社で言えば正社員)になるという道があります。この場合は月収20万円以上に設定していることが多いです。 収入については「日本語教師の魅力とは?やりがいや楽しさ、将来性」にも詳しく紹介されているため、そちらも合わせてご確認ください。     仕事が大変? 日本語教師の仕事は大変なのでしょうか。特に授業準備についてそう言われることがあります。 しかしこれは初めのうちだけで、慣れればさほど時間をかけずに済ませることができるようになります。一度作った資料はまた使うことができますし、学校によってはテキストブックを定めている場合もあります。業務内容は先に確認しておくとよいでしょう。 他に、試験の作成や成績の管理を任されることもありますが、これについても同じことが言えます。 同時に知っておきたいのは、授業準備や成績管理など日本語教師で大変だと言われている仕事は日本語教師だけでなく、教職すべてに共通するデメリットだということです。であれば他業種と比較するだけでなく、教師という仕事について考えてみる必要があるでしょう。 また、「【日本語教師の働き方】きついって本当?」などのサイトでは、日本語教師として大変なのは最初の1、2年であるとも言われています。最初のうちにしっかりと努力すれば、そのうちに慣れてきて、楽しさややりがい、魅力が上回ってくるようになるでしょう。   3.他の教職と比べてどうなの? そこで比較してみたいのが、その他の教職です。中・高の教師、小学校の先生、塾や予備校の講師、大学の非常勤講師などいろいろありますが、それらと比べた時、はたして日本語教師は割に合わない仕事なのでしょうか? 中学・高校の教員 まず中学校や高等学校の教員になるには、各科目ごとの教員免許を必要とします。取得には、大学の教職課程を履修するのが一般的です。(教育学科で取れるのはもちろんですが、日本文学科なら国語の中・高免許を、数学科なら数学の中・高免許を取得できる大学が多いです。) 収入面は、常勤・専任の場合はそこそこの稼ぎになります。一般企業のサラリーマンより少し低い程度から始まり、基本は年功序列で収入が上がっていきます。 しかし近年、マスコミでも取り上げられるように、他業種と比較してブラックさが目立ちます。特に気になるのは勤務時間で、朝の8時から学校に来て、それから19時近くまで11時間程度は学校にいるのが普通です。朝は朝礼にHR、放課後は部活指導や職員会議など、授業以外の校務があるからです。学校行事の準備もあります。 また信じがたいことですが、残業代は基本、出ないシステムになっています。残業代を一定の割合(月額の4%)で給与に上乗せしてくれるのですが、残業時間を時間では測らないため、働けば働いただけ損をする制度になっています(給特法という法律による)。 小学校の教員  小学校教員を最初に紹介しなかったのは、免許が取得できる大学が限られているからです。基本的には大学の、教育学科や児童学科に限られます。取得を考えている方は、事前に確認しましょう。  小学校を思い出せばわかると思いますが、授業は担当するクラスの全教科を教えなければなりません。もちろん授業準備もその数だけ要ります。 そして子供たちの成長過程を考慮しながら、生活指導をしていく必要があります。行事の準備や保護者対応があるのは、中高と同じです。 とりわけ子供の好きな方に、向いている仕事と言えます。 塾や予備校の講師 塾や予備校の講師はどうでしょうか。生徒指導はほとんどありませんが、生活が夜型になります。学校が終わってから生徒が来るので、おおむね13時~22時の勤務が多いようです。 プロ講師の場合は合格率が物を言う厳しい世界になるので、高校時代に受験勉強が好きだった方以外にはあまりオススメできません。しかし特別な免許などはいらないので、その塾の筆記・面接試験に合格すれば指導を開始できます。 (ただし近年は改革で受験方式が大きく変わっているので、どの塾が生き残っていけるか不明瞭です。正社員をめざすなら最新の情報をリサーチしておくことを勧めます。) 大学の非常勤講師 また大学の非常勤講師は、資格として最低でも大学院の修士号が必要です。(ほとんどは博士号を条件にしています。) そのため時給は少し高めですが、求人自体がとても少ないです。週に2、3コマしか授業を持てないことも多く、結果として収入が低くなります。いくらその道の専門家でも、複雑なトポロジーや解析力学、鎌倉仏教や日本国憲法の授業を、同じ学校で毎週何10コマもやらせてはもらえないのです。それを学びたい人間が、限られているからです。 結果、助教や准教授として採用されるまではそれだけで生活できないことが多く、他のバイトなどと掛け持ちすることになります。 日本語教師 日本語教師については、上で述べたとおりです。他の仕事と同じく、良いことも悪いこともあります。 しかしこうして比べると、『部活指導などで長時間残らなくてもよく、教えるのは日本語だけでいい。求人も一定数は出ている』という日本語教師はかなり魅力的に思えます。 求人に関して、やはり割合としては非常勤が多いものの、時期を問わず基本的には一定量を見つけることができます。 顧客として成人を相手できることもあり、教師という特殊な職業の中では、まだしも一般企業の会社員と似た働き方ができると言えるでしょう。 もしあなたが、『仕事は多くても構わないから、安定した収入を得たい』と思うのであれば、教員免許を取得して小・中・高の常勤教員を目指しましょう。授業外の雑務が大変ですが、中小企業のサラリーマンと同じ程度には安定した給与を得ることができます。 一方、『そこまで高収入ではなくていいから、自由な時間や心理的なゆとりが欲しい』ということであれば、日本語教師は選択肢の一つと言えるでしょう。授業数や雇用形態によって、自分に合った働き方を選べます。 また日本語学校などで専任になれば収入も安定し、生徒指導もあるものの、基本的には8時間程度で済みます。経験を積むことで主任候補・専任などのポジションの求人にも応募できるようになり、待遇面でも向上が見込まれるでしょう。日本語教師の詳しい待遇については「日本語教師の勤務時間・休日」もご参照ください。   日本語教師は、日本語教師になるための道が多くあるのもまた目指しやすさの要因の一つです。  主なルートは以下の3つです。 - 日本語能力検定試験に合格する - 大学・大学院で「日本語教育主選考(または副専攻)を修了する - 420時間の日本語教師養成講座を終了する 日本語教師になる方法、条件については、「日本語教師になるには?仕事内容や働く魅力・目指す方法まで詳しく解説」や、「「日本語教師」という仕事の魅力あれこれ」にも詳しく記載があるので、そちらもご覧ください。    1点目の日本語能力検定試験に関しては、参考書などを使いながら独学で目指すことができます。2点目は大学や大学院への入学が必須になるため、個人では難しいかもしれませんが、3点目に関しては大学などに限らず、「東洋言語学院」をはじめとして、様々な学校や機関が講座を提供しています。自分に合う講座を選んで受講するのが良いでしょう。   ●まとめ いかがでしたか? 今回は、アフター・コロナという切り口から、これからの日本語教師の魅力について考えてみました。  日本語教師に限らず、その仕事を取り巻く状況は変わっていきます。それに流されるのもチャンスに変えるのも自分次第。目先の状況や条件に捕らわれず、自分に合った仕事を見つけたいものです。

日付2022/07/21/

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資格がなくてもできる先生の仕事?日本語教師の魅力徹底解説!

●日本語教師って何? 日本語教師の仕事  日本語教師とは、日本語を母国語としない外国人に「外国語」として日本語を教える先生のことです。日本語教師の活躍の場は国内に留まらず、世界各国で仕事をすることができます。  ただし、生徒に教えるのは日本語だけではありません。日本の文化や習慣はもちろん、行儀作法や日本人の特性を伝えることも立派な仕事の一つです。  生徒にとって、魅力があると感じる日本の文化もあれば、魅力がないと感じる日本の習慣もきっとあるでしょう。  感性は十人十色ですが、自分が授業で教えたことに対して、生徒がどのような反応を示してくれるのかも、日本語教師の仕事だからこそ味わえる楽しみと言えます。 日本語教師と国語教師の相違点  日本語を母国語としない生徒に日本語を教える日本語教師と、日本語を母国語とする生徒に国語を教える国語教師とでは、仕事内容にどれ程の違いがあるのでしょうか。  まず、日本語教師の主な仕事内容は、下記のような業務になります。 -教材の準備 -宿題やテストの作成・採点 -生徒の目標レベルに合わせた授業計画を組む    国語教師の仕事内容とあまり変わらないようにも見えますが、決定的に異なるのは「生徒の目標レベルに合わせた授業計画を組む」という点です。  日本の義務教育学校における国語の学習は、生徒の意思に関係なく授業が進みます。必要最低限の知識を身に付ける他、直近のテストで良い点を取ることや、受験のために良い成績を取ることを目標とする生徒が大多数だと思います。  一方、日本語を母国語としない外国人が日本語を勉強する理由は実に様々で、その大半は明確な目的を持って意欲的に取り組んでいます。そのため、日本語をどの程度まで理解したいのかという目標レベルも人それぞれ異なります。  生徒一人ひとりに合わせた授業内容を考えるのは大変な仕事ですが、意欲を持って真剣に取り組む生徒の魅力的な姿は、きっと自分自身の励みにもなるでしょう。  日本語教師になるには?仕事内容や働く魅力・目指す方法まで詳しく解説も合わせてご参照ください。     ●日本語教師の実情 日本語教師は資格が要らない仕事?  仕事によっては資格必須の職業も多くありますが、日本語教師として仕事をするにあたり、現状必要な資格はありません。  つまり「外国人に日本語を教えたい」と思えば、誰でも容易に教えることができるのです。日本語教師を目指す第一歩として、大きなハードルの高さを感じない点も、この仕事の魅力と言えるでしょう。  ただし、国内において法務省が告示する日本語学校の教員になるには、常勤や非常勤を問わず定められた条件があります。  また、国内の小学校や中学校で教える場合や、海外の教育機関で仕事をする場合は、その国の教員免許を取得する必要があります。 ・日本語教師が求められる場所  せっかく教員免許を取得したり、採用の条件を満たしたりしても、就職先がなければ不安になりますよね。 では、実際に仕事をする上で、日本語教師は現状どのような場所で働いているのでしょうか。  主な就職先は下記となり、様々な場所で活躍できます。 -国内・海外の日本語学校 -海外在住者を含むオンライン授業 -日本語を教えるボランティア団体 -国内における外国人労働者の研修    現在日本で仕事をする外国人が増えている状況を鑑みても、日本語教師の需要は確実に高まっています。寧ろ、日本語を学びたい外国人の数に比べると、日本語教師の数は圧倒的に足りないとさえ言われています。  そのため、日本語教師は魅力が溢れる授業を重ねていくことで、その生徒の人生において唯一無二の存在になることができます。  時代を追う毎に人間関係が淡白になりゆく中で、誰かに何かを教えるという日本語教師の仕事は、非常に魅力がある生業と言えるでしょう。 日本語教師の仕事内容とは?なり方から求人の傾向までを紹介! | にほんご日和でも詳しく解説されています!   ●日本語教師における制限 日本語教師になれるのは、何歳から何歳まで?    例えば、一般企業へ転職する際に、年齢制限を設けている会社は少なくありません。その理由としては「若年層の長期的なキャリア形成」と説明する会社が大多数を占めます。  しかし、日本語教師には、年齢制限という規定が一切ありません。定められた条件さえクリアしていれば、男女問わず何歳からでも始められるのです。  寧ろ、年齢を重ねることで得られる様々な実体験を授業で活かすこともできます。転職を考える際、年齢に縛りのある仕事も多い中で、日本語教師は正に魅力的な職業と言えるのではないでしょうか。 日本語教師は高卒でもなれるって本当?  本当です。大卒を第一条件としている企業も少なくない中で、日本語教師は学歴の縛りがないことも魅力的な特徴の一つです。そのため、新しく挑戦する仕事としては最適な職業とも言えます。  ただし、高卒の場合は「日本語教育能力検定試験」に合格する必要があります。  また、採用条件は募集する学校によってそれぞれ異なりますので、就職先を探す際は必ず事前に確認するようにしましょう。 ●日本語教師の魅力 生徒の成長を間近で感じることができる  世の中には実に様々な仕事があります。その中でも「日本語教師」という仕事は、人ひとりの人生を大きく変えることができる重要な職種の一つです。  英語でもフランス語でもなく日本語を学びたいという外国人の多くは、少なからず日本に必ず興味を持っています。そのため、日本語教師が日本語の魅力をどのように伝えるかによって、生徒の日本に対する今後の関心が大きく左右すると言っても過言ではありません。  自分の授業を通して、以前よりも日本語が上手に話せるようになったり、日本への理解を深めてくれたりする生徒の姿を間近で感じることができるのは、日本語教師の特権と言えるでしょう。 「日本語教師のやりがい・楽しさ・魅力」でも詳しく読むことができます。   日本語教師としての成長  「郷に入れば郷に従え」ということわざがあるように、習慣や行動様式は土地や環境によって大きく異なります。その範囲が海外まで広がると、今まで自分が常識だと思っていたことに対して、何らかのカルチャーショックを受けることでしょう。  日本語教師は、日々様々な国の生徒と接する仕事なので、通常の人よりも異文化に触れ合う機会が多くあります。そのため、日本語や日本の文化を教えるだけではなく、各国の魅力的な情報を生徒から学ぶこともあり、日本と海外の比較対象として授業に取り込むことができます。  複雑な日本語をより分かりやすい表現で伝えるにはどのようにすれば良いか、充実した授業内容にするのはどのように工夫すれば良いのか、生徒のために考える時間は必ず自分自身の成長にも繋がります。  「日本語教師ってどんな仕事?第8回 日本語教師の魅力って?~その1~」でも、「世界を肌で感じること」や、「人と人との繋がり」「双方向の交流・刺激」を日本語教師の魅力にあげる先生が多いことがわかります。  「海外の生徒さんからみた日本」の良さや魅力を知ることで、長年暮らしてきた日本の新たな姿を知ること、日本を再発見できることもまた、必然的に異文化交流をその仕事内容に孕んだ日本語教師という職の魅力なのでしょう。   海外に拠点を置いた働き方も可能  外国人が日本語を習得する主な手段としては、日本語学校へ通ったり、オンラインを通して学習したりする方法が挙げられます。  主にメディアを通して発信される日本の文化や日本の伝統などに関する人気は我々の想像を遥かに超えており、日本で仕事をしたいと強く願う外国人も少なくありません。  そのため、海外における日本語教師の需要も高くなっており、特にアジア圏を中心に求人数も増えています。仕事に置いて、海外で働くチャンスは誰にでもある訳ではないので、このような点も日本語教師の魅力の一つと言えるでしょう。  「日本語教師のやりがいを聞いてみよう」でも、「世界中で働くことができるという可能性」がある仕事であるという点をやりがいに挙げる先生がいるのがわかります。  グローバル化がますます進む昨今、もちろん日本国内でも、仕事としてだけではなく、イベントのスタッフやNPO法人、サークルなどのボランティアとしてでも、海外の人に日本語を教える、という機会はどんどん増えていくでしょう。  日本でも、海外でも、外国の人たちと関わる機会を得ることができるのは、日本語教師という職の素晴らしい特徴です。  日本語教師の海外での働き方については、当サイトの別記事「「日本語教師」という仕事の魅力あれこれ」でも詳しく説明しています。合わせてご一読ください。   ●日本語教師の楽しさと大変さ 日本語教師の楽しさ  日本語教師にとって、英語力は必ずしも必要なスキルではありません。そのため、英語が苦手な人や自信のない人でも、日本語教師として海外で仕事をしたり、外国人と楽しく交流したりすることができます。  また、生徒から授業に関する嬉しい感想を言われることも多く、日本語教師の仕事を続ける上で大きな励みになることは間違いありません。  生徒によって教える内容や伝え方も異なるため、常に試行錯誤しながら学習内容を考える必要がありますが、それは必ず魅力のある授業に繋がります。  何より、徐々に日本語が話せるようになり、様々な外国籍の人と交流を深めていく生徒の姿を目の前で見ることができるのが、一番の楽しみかもしれません。 日本語教師の大変さ  日本語教師は楽しいことも多くありますが、時々「きつい」という声を聞くことがあります。  ただし、それはまだ授業に慣れていない1〜2年の間と言われており、他の仕事と条件はあまり変わりません。  確かに、まだ授業に慣れていない上に、授業の準備や資料作成を行うのは少し大変かもしれません。  また、生徒によって授業内容の理解度や知識の吸収力がそれぞれ異なるため、臨機応変に対応していく必要があります。 他にも教案作成などに時間を要することがあるため、過重労働という厳しい環境に身を置くこともあります。「日本語教師の楽しいことと大変なこと」でも、教案・教具作りなどの授業準備や、また進路指導など日本語の指導以外の部分を大変なこととして挙げている先生がいます。  しかし、こうした準備はキャリアを重ねるにつれ、少しずつ楽になってくるものです。担当する学年やレベルが過去に担当したものと重なれば、1から作成するのではなく、以前作成したものをブラッシュアップすることで問題なく使用できるかもしれません。最初のうちは大変かもしれませんが、前述したとおり、1〜2年経験をつむと少しずつ楽になってくるでしょう。  とはいえ、日本語教師が働く環境は実際に厳しいことも多いです。  そのため、今後は国家資格ができることで、日本語教師の地位や給与が魅力のあるものに変わるよう願う人々も多くいます。 【日本語教師の働き方】きついって本当?も合わせてご一読ください。 ●日本語パートナーズとは? 現地で働く日本語教師のサポートができる  日本語パートナーズは、現地(アジア)で働く日本語教師のアシスタントとして、授業のサポートを行っています。  専門的な知識は必要なく、応募条件に当てはまれば誰でも参加できるため、現地で働く魅力を知りたい人にとっては、正に最適な環境と言えるでしょう。  また、現地の生徒と直接交流ができるため、その土地の文化や言語の魅力を生徒に学ぶ機会も多くあります。  日本語パートナーズでの体験は、就職活動を行う上でも大きなアピールとなるため、少しでも興味があればチャレンジすることを推奨します。 就職後も活かせる貴重な体験  参加する国によって生活環境や授業のスタイルが異なるため、日本語パートナーズの中でも皆それぞれ独特な体験をしています。  中には、「中学校や高校ではなく、外国語大学で日本語を教えたい」という明確な目的を持って派遣先の国を決める人もいます。  右も左も分からない状態で、外国人に日本語を教えに行くというのは、誰でも勇気が要る行動です。  しかし、その経験は必ず自分の糧となり、より魅力のある日本語教師を目指すための自信に繋がることでしょう。  就職前に海外経験を積む! 大学卒業前後に参加した3人の座談会 | インタビュー | 日本語パートナーズ」では実際に日本語パートナーズに参加した方々のインタビューを読むことができます。参考にしてみてください。   ●日本語教師の収入 専任講師や常勤講師の場合  正規雇用である専任講師や、国内の日本語学校で働く常勤講師の場合は、月収で約20万円以上が最も多いと言われています。年収で考えると、約300〜400万円くらいです。さらに、国内の大学で勤務する場合は、より安定的な収入を得られる確率が高くなる傾向にあるようです。 非常勤講師の場合  非常勤講師の場合は、授業の回数によって給与額が定められるため、安定した収入を得ることは難しいかもしれません。相場としては、1コマの授業に対して1500〜2000円が平均額とされており、非常勤講師を掛け持ちしたり、オンラインを含めた個人レッスンを行ったりする人も少なくないようです。 海外の場合  海外の場合は、日本語教師として仕事をする国によって異なります。ただし、日常生活に困らない程度にはしっかりと支給される場合が多く、就職先によっては夏休みや冬休みの長期休暇でも給与が支給される学校もあるようです。  他にも、寮の提供や光熱費の負担など、魅力的な待遇も多くあります。生活環境が整っていれば、仕事にもしっかりと集中することができるので、過度な心配は無用と言えるでしょう。 収入面のまとめ  日本語教師の仕事に限らず、いくらやりがいのある仕事でも、収入が低ければモチベーションを維持することが難しく、魅力を感じないと思われる方も多いのではないでしょうか。  特に非常勤講師として働き続けるには不安が残る方もいるかもしれません。しかし、日々トレーニングを重ねて経験を積むことで、専任講師や常勤講師になれるチャンスは十分にあります。また、人によっては非常勤講師の方が働きやすいと感じる方もいるようです。  それぞれの魅力を十分に理解すれば、きっと自分にとって理想的な働き方が見つかるでしょう。  日本教師を今後ずっと続けていけるのか? 将来的にも日本語教師には需要があるのか? 待遇面や将来性についての不安に関しては、「日本語教師の気になる?年収・給料・収入【スタディサプリ 進路】」や「日本語教師の魅力とは?やりがいや楽しさ、将来性」も合わせてご一読ください。  

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